融資を断られたら? 審査に落ちる理由や対策、次の一手を詳しく解説
金融機関から融資を断られたからといって、すぐに諦める必要はありません。審査に落ちた理由を把握し、対策を立てた上で再度申し込めば、融資を受けられるケースもあります。また融資以外の資金調達方法を検討するのもよいでしょう。
本記事では、融資を断られたときの対応手順や審査に落ちる主な理由、対策などを詳しく解説します。資金が必要な場合や資金繰りにお悩みの場合は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 融資を断られたときは、その理由を明確にした上で対策を講じる
- 事業計画書の見直しや自己資金の増加など、適切な対策によって審査を通過できるケースもある
- 融資を断られたときは、ファクタリングやビジネスローンの活用を検討する
融資を断られたときの対応手順

金融機関から融資を断られたときは、そのまま諦めるのではなく、以下の手順で対応しましょう。
- 断られた理由を確認する
- 再申し込みに向けて対策を検討する
- 次の一手として他の資金調達方法を検討する
1. 断られた理由を確認する
まずは、融資を断られた理由を確認しましょう。断られた理由によって、講じるべき対策が異なるためです。
ただし、金融機関に審査に落ちた理由を聞いても「総合的に判断した結果」などと言われ、詳しい回答を得られない可能性もあります。金融機関は、審査基準などが外部に漏れるのを防ぐために、曖昧な回答をするケースもあります。明確な回答を得られない場合は、後述する「融資を断られたときに考えられる10個の理由」を参考に分析してみてください。
また、金融庁による「中小・地域金融機関向けの総合的な指針」を基に、説明を求める方法もあります。同指針(Ⅱ-3-2-1-2(5)-②)には「金融機関は、可能な範囲で融資を断る理由などについて説明する態勢を整備する」と記載されています(※)。指針の存在に触れながら審査落ちの理由を聞けば、詳細に回答してもらえる可能性が高まるでしょう。
※ 参考:金融庁.「中小・地域金融機関向けの総合的な指針(II 銀行監督上の評価項目)」.(参照 2026-04-03).
2. 再申し込みに向けて対策を検討する
融資を断られた理由を把握したら、再申し込みを行うかどうかを考えましょう。理由によっては、対策を講じることで審査を通過できるケースもあります。具体的な対策については、後ほど詳しく解説します。
3. 次の一手として他の資金調達方法を検討する
再申し込みが難しそうな場合は、次の一手として融資以外の資金調達方法を考えなければなりません。ファクタリングやビジネスローンなどの方法があるため、自社の目的や経営状況に応じて選択しましょう。
融資を断られたときに考えられる10個の理由
金融機関に融資を断られた場合、以下のような理由が考えられます。
- 事業計画書が整っていない
- 決算書の数字が悪い
- 税金や公共料金などを滞納している
- 自己資金が不足している
- 信用情報に傷がある
- 消費者金融などからの借入が多い
- 借入金の返済が遅れている
- 前回の融資からの期間が短い
- 書類に不備がある
- 面接でうまく回答できなかった
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
1. 事業計画書が整っていない
金融機関の融資を申し込むときは、事業計画書の提出を求められるのが一般的です。金融機関は事業計画書の内容を参考にして、事業拡大の可能性や返済能力について審査を行います。そのため内容が曖昧であったり、実現性や信憑性が低かったりすると、融資を断られる可能性もあります。
例えば「売り上げを伸ばす」「新しい製品を開発する」などと書くだけでは、金融機関は計画の根拠や実現性を客観的に判断できません。審査の担当者が納得できるよう、事業拡大の根拠や返済の確実性をしっかりと記載しましょう。
また事業計画書の内容について、自分の言葉で分かりやすく説明できるように準備しておくことも重要です。
2. 決算書の数字が悪い
決算書に記載された数字が悪いために、融資を断られるケースもあります。特に、重要な項目の数字が悪いと、返済能力が低いと見なされ、融資を断られてしまかもしれません。
決算書において、特に重要な数字は次の通りです。
- 売り上げ:事業規模をチェックする基準となる
- 利益:赤字が続いていると評価が下がる傾向にある
- 借入金:売り上げや利益に対して、借入金の割合が大きくなると評価が下がる傾向にある
- 固定資産:土地・建物などの担保や現金化できるものがあると、評価が上がる傾向にある
- 純資産:債務超過だと、評価が下がる傾向にある
金融機関は審査において、上記のような項目について総合的に評価し、企業の返済能力の程度を判断します。例えば、赤字が続いていたり借入金が多過ぎたりすると、返済能力が低いと判断され、融資を断られる可能性が高くなります。
ただし、赤字や債務超過であっても、必ず融資を断られるとは限りません。赤字の原因が一過性のものであったり、黒字化するための具体的な計画があったりする場合は、融資を受けられる可能性もあります。そのため、先述した事業計画書などで、今後の展望や返済能力をしっかりと示すことが重要です。
3. 税金や公共料金などを滞納している
税金や公共料金などを滞納していることも、融資を断られる理由の一つです。支払いが義務付けられている税金を滞納していると、金融機関から信用力に不安があると判断されて融資を受けられない可能性が高まります。
特に、法人税や消費税などの未納はマイナス評価につながりやすいため、事前に支払いを済ませておきましょう。また社会保険料や電気・ガス・水道などの公共料金の滞納もマイナス評価につながります。審査をスムーズに進めるためにも、支払いの遅れや不足がないか、確認しておきましょう。
4. 自己資金が不足している
起業・開業時に利用する創業融資においては、自己資金の不足によって融資を断られるケースもあります。自己資金とは、借入金などではなく、創業者自身で貯めたお金のことです。自己資金には、以下のようなものが含まれます。
- 現金預金
- 退職金
- 保険などの解約返戻金
- 株式・投資信託・有価証券
- 親族からの贈与金
- みなし自己資金
金融機関によっても異なりますが、上記のような自己資金がゼロであったり、極端に少なかったりすると、融資を受けられる可能性が低くなります。基本的には、創業資金の3割程度の自己資金を準備しておくのがよいでしょう。
ただし、知人・親族からの借入金や経路不明のお金などは、自己資金として認められません。またカードローンなどを利用して一時的に自己資金を多く見せる「見せ金」のような行為は、詐欺罪に該当する可能性もあるため避けましょう。
5. 信用情報に傷がある
信用情報に傷があることも、融資を断られる理由の一つです。信用情報とは、クレジットやローンなどに関する契約や取引記録を意味します。以下のようなケースに該当すると、信用情報に傷があると見なされ、融資を断られるかもしれません。
- クレジットカードの支払いが遅れている
- クレジットカードを強制解約された
- カードローンや住宅ローンなどの支払いが遅れている
- 携帯電話端末の分割払いの支払いが遅れている
- 奨学金の返済が滞っている
- 自己破産や債務整理の経験がある
内容によって異なりますが、信用情報は5〜10年間は残ります。融資を受けたい場合は、信用情報が消えるのを待つ、融資の申し込みの際に傷がある理由を説明するなど、適切な対策を検討しましょう。
6. 消費者金融などからの借り入れが多い
消費者金融やノンバンクなどからの借り入れが多いという理由で、融資を断られるケースもあります。「一般的な銀行からの融資が受けられないために、消費者金融を利用しているのではないか」などとマイナスイメージを持たれる可能性があるためです。
特に、事業の規模に見合わないような多額の借り入れをしている場合は、返済能力や事業の計画性を疑われ、融資を断られるかもしれません。融資を受けたい場合は、現在の借入状況を確認し、返済を終えておくことが重要です。
7. 借入金の返済が遅れている
申し込み先の金融機関から既に借り入れをしている場合で、その返済が遅れていたり、過去にリスケしたりしていると、次の融資を断られる可能性が高まります。
リスケ(リスケジュール)とは、業績の悪化や売り上げの減少などによって資金繰りが厳しくなったときに、返済期限や返済条件を緩和してもらうことです。
返済の遅れやリスケは、財務状況の悪化や返済能力の低下と見なされるケースが多く、返済を終えたとしても次の融資を断られる可能性があります。そのため、返済を終えた後、しばらく時間が経ってから申し込みましょう。
8. 前回の融資からの期間が短い
前回の融資からの期間が短いという理由で、今回の融資を断られるケースもあります。頻繁に融資を申し込むと、計画性がないのではないかと悪い印象を与えてしまう可能性があるためです。金融機関によっても異なりますが、基本的には少なくとも6カ月程度の時間を空けてから次の融資を申し込むのがよいでしょう。
ただし、期間が短いからといって、必ず融資を断られるとは限りません。例えば、売り上げが予想以上に増えた場合や、融資を受ける目的が前回とは異なる場合などは、審査に通る可能性もあります。短い期間に複数回の融資を申し込むなら、融資を受ける理由や返済計画の根拠などをしっかりと示し、金融機関に納得してもらうことが大切です。
9. 書類に不備がある
当然ですが、書類に不備があったり、虚偽の内容を記載したりすると、融資を断られる可能性が高まります。求められた書類については丁寧に作り込み、内容に抜け漏れや間違いがないかを確認した上で提出しましょう。
また以下のような行為は虚偽と見なされ、融資を断られるのはもちろん、企業として信用を失う可能性が高いです。
- 決算書を粉飾する
- 他の金融機関からの借り入れを申告しない
- 売り上げや契約件数の見込みなどを偽る
- 申請した使用用途とは異なる目的で資金を使う
金融機関は融資の可否を判断するため、書類を厳しく確認します。数字の書き換えや嘘の報告はすぐに発覚するため、やめてください。仮に審査を通過したとしても、後で虚偽が判明した場合は、融資を打ち切られます。
また一度失った信用を回復するのは、簡単ではありません。今後の融資を受けられなくなる可能性もあるため、提出書類には正しい内容を記載しましょう。
10. 面接でうまく回答できなかった
融資を受ける際は、面接の中で、金融機関の担当者から資金の具体的な使い方や事業計画について質問されるのが一般的です。この面接においてうまく回答できなかったり、担当者を納得させられなかったりすると、融資を断られる可能性があります。
面接では、企業としての信頼性や返済能力を判断するために、融資が必要な理由や事業の強み、近年の売り上げや契約状況など、さまざまな内容を確認されます。提出した書類の内容との矛盾がないよう、しっかりと準備しておきましょう。
また言葉遣いや態度などにも注意が必要です。面接で悪い印象を与えると融資を断られる可能性もあるため、丁寧な言葉で回答するよう心掛けましょう。
融資を断られたときの対策

一度断られてしまってもしっかりと対策を講じれば、再申し込みによって融資を受けられる可能性もあります。ここからは融資を断られたときに行うべき、具体的な対策を紹介します。
1. 事業計画書を作り込む
事業計画書の不備が原因で融資を断られた場合は、内容を見直しましょう。先述の通り、事業計画書の内容に具体性や信憑性がなければ、融資を断られてしまう可能性が高まります。以下のようなポイントに注意して、事業計画書を作り込みましょう。
- 具体的な数値を記載する
- 計画の根拠を明記する
- 要点を分かりやすくまとめる
審査に通過しやすい事業計画書を作るためには、具体的な数値を記載することが重要です。単に「売り上げをアップさせる」などと記載するのではなく「売り上げを前年比で10%アップさせる」といったイメージで具体的に記載しましょう。
さらに、その計画の根拠を示す必要があります。市場調査の結果やこれまでの契約件数、取引先との関係性などを示し、根拠のある計画や目標数値であると証明しましょう。グラフや表などを用いて、要点を分かりやすくまとめることも重要です。
2. 自己資金を増やす
自己資金が不足している場合は、退職金や株式、親族からの贈与金などで補填する必要があります。また、みなし自己資金についても検討してみましょう。
みなし自己資金とは、融資を申し込む前に事業目的で用いた資金を、自己資金として認めてもらうことです。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 設備投資費用
- 備品の購入費用
- 商材の仕入れ費用
- 内装工事費用
- 会社設立関連費用
ただし、みなし自己資金であると認められるためには、支払いの事実を証明する領収書や振込明細書、請求書などがある、事業に直接関係する支出であるなど、一定の条件を満たす必要があります。
3. 信用情報に傷がある理由を説明する
信用情報に傷がある場合は、その情報が消えるのを待つか、傷がある理由を説明する必要があります。
先述した通り信用情報の登録期間は5〜10年なので、情報がまもなく解消される見込みであれば、少し待ってから再度申し込むとよいでしょう。
情報の解消までに時間がかかる場合は、金融機関へ傷がある理由を説明しましょう。やむを得ない事情があるなどと判断されれば、融資を受けられる可能性もあります。
ただし、金融機関は信用情報の全てを調べているわけではありません。あえて説明することで、逆に印象が悪くなる可能性もあるため注意しましょう。
融資を断られたときの次の一手は? 便利な資金調達方法を紹介
金融機関への再申し込みが難しそうな場合は、次の一手として他の資金調達方法を検討しましょう。ここではファクタリングとビジネスローンについて紹介します。
ファクタリング
ファクタリングとは、自社が保有している未回収の売掛債権を売却して、本来の支払い日より早く現金化する資金調達方法です。融資を受けられず、資金繰りに困っているときなどに利用すれば、素早く資金を確保しつつ事業を展開できるでしょう。ファクタリングには、主に以下のようなメリットがあります。
- 融資よりも素早く資金を確保できる
- 信用情報への悪影響がない
- 融資を受けられない中小企業でも利用できる可能性がある
- 担保や保証人が必要ない
利用するファクタリング会社によっても異なりますが、融資と比較して、手続きや審査の待ち時間が長くなく、最短即日で資金を得られるケースもあります。また融資ではないため、信用情報へ悪影響を及ぼす心配もありません。
事業の規模が小さいなどの理由で融資を受けにくい中小企業などでも、売掛先の信用力さえあれば、サービスを利用できる可能性が高いです。さらに担保や保証人も不要であるため、気軽に利用できるでしょう。
ただし、ファクタリングには以下のような注意点もあります。
- 手数料が差し引かれる
- 売掛金の金額が上限となる
ファクタリングでは手数料が発生するため、本来受け取れるはずだった売掛金が減ります。手数料はファクタリング会社や契約方式などによっても異なるため、複数社を比較して自社に適したサービスを利用しましょう。
さらにファクタリングでは売掛債権の額を超えて資金化することはできないため、多額の資金を一度に調達したい場合には向かないことがあります。資金が不足する場合は、複数の売掛金を売却するなどの方法を検討しましょう。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、銀行やノンバンク、消費者金融などが提供する金融商品です。ビジネスローンの主なメリットは、以下の通りです。
- 一般的な融資よりも審査のハードルが高くない
- 審査期間が短い傾向にある
- 資金使途の自由度が高い
- 担保や保証人が必要ないケースもある
一般的な融資と比較すると、ビジネスローンの審査のハードルは高くないでしょう。また審査期間も短い傾向にあり、急いで資金を確保したいときに適しています。さらに資金使途の自由度が高いため、幅広いニーズに対応可能です。
一方で、ビジネスローンには以下のようなデメリットもあります。
- 金利が高い傾向にある
- 借入限度額が低い傾向にある
- 今後の融資を受けにくくなる可能性がある
金利の高さは、ビジネスローンの大きなデメリットです。長期的に利用すると返済総額が増えるため、しっかりと返済計画を立てておきましょう。また借入限度額が低く、必要な資金を確保できないケースもあります。
なお、消費者金融が提供しているビジネスローンの利用にも、注意が必要です。消費者金融の利用歴があると、一般的な融資を受けようとする際に、マイナス評価をされる可能性があります。
ビジネスローンを利用するときは、長期的な視点で慎重に検討しましょう。
まとめ:融資を断られたらファクタリングを利用して資金を確保するのも一つの方法
融資の審査に落ちてしまった場合、事業計画書が整っていない、自己資金が不足している、信用情報に傷があるなどの理由が考えられます。まずは断られた理由を明確にして、適切な対策を講じた上で次の申し込みの準備を進めましょう。
また融資の再申し込みが難しそうな場合は、別の資金調達方法を検討するのがよいでしょう。急ぎで資金を確保したい場合は、ファクタリングを利用するのも一つの方法です。
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