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観光業の資金繰りにファクタリングが役立つ理由とは?メリットと注意点も詳しく解説

近年、業種を問わず普及が進んでいるファクタリング。
他の資金調達方法に比べて利便性が高く、緊急の資金調達にも活用できる方法として人気を集めています。
ファクタリングの活用度は業種によって異なります。
特にメリットが大きい業種のひとつは観光業です。
観光業とは、観光に関連する業種の総称です。

今回は、その中でも観光業でのファクタリングの活用について、ホテル業、旅館業のファクタリングについてご説明致します。を中心に詳しく説明します。

2020年2月末、新型コロナウイルス感染拡大に伴い外国人観光客の減少のため、愛知県の 旅館が経営破綻していました。

新型コロナウイルス感染拡大以前にも、韓国との関係悪化に伴い観光客の減少、香港デモなど、2018年から2020年にかけて色々なことがありました。

今夏に開催される予定の東京オリンピックも、新型コロナウイルスの影響で開催延期の可能性が濃厚になってきました。

大きな経済効果を生み出す東京オリンピック、観光業に携わる企業は売上アップを期待しているのではないでしょうか?

万が一、東京オリンピックが延期になれば、予約のキャンセルなどで損失が発生し、新型コロナウイルスのダメージと合わせ倒産に追い込まれる企業も少なくないかもしれません。

今回は、観光業とファクタリングについて解説して行きます。

観光業とファクタリング
観光業でファクタリングを利用している企業は決して多くはありません。

理由は、売上の大半が一般消費者(個人)からの入金だからです。

一般消費者(個人)の売掛債権(売掛金)はファクタリングできません。

それ以前に一般消費者(個人)は、即日支払いが多く売掛債権(売掛金)にならないケースがほとんどです。

そんな観光業ですが、今後起こる可能性があるかもしれない資金繰り悪化のための事前準備をしておく必要があると考えます。

次項で、観光業を営んでいる企業がファクタリングで資金調達するためのポイントを解説していきます。

観光業の資金繰りの特徴

 
観光業にとって、ファクタリングは活用しやすい資金調達方法です。
その理由を知るためにも、まずは観光業の資金繰りの特徴からみていきましょう。

現金取引が多い

 
観光業にも色々な業態がありますが、代表格といえばホテルや旅館などの宿泊業です。
宿泊業を中心に考えた場合、観光業は「現金取引が多い」という特徴があります。
例えば、ホテルの宿泊者の多くは個人消費者であり、宿泊費を現金で支払う人も多いです。
他の業種であれば、企業間で信用取引を行うケースが多く、その場合には代金は後払いとなります。
一時的に売掛金として所有する形となり、資金繰りの負担になることも多いです。
観光業は、他の業種よりも現金取引の比率が高いため、売掛金による資金繰り負担は少ないといえます。

クレジットカード決済の導入率が高い

 
仮に現金取引の比率が100%であるとすれば、代金が即座に入ってくるため資金繰りはラクになります。
しかしながら、観光業を取り巻く環境は徐々に変わってきました。
近年、キャッシュレス化が急速に進んだことにより、現金で支払わない顧客も増えているのです。
実際に、観光業ではクレジットカード決済の導入率は、全業種トップの74.7%となっています。
クレジットカードで決済した代金は、即座に回収できません。
クレジットカード会社との契約に応じて、一定期間後に支払われる流れです。
クレジットカード決済の売上のうち、締め日を迎えて確定したものをクレジットカード債権といいます。
クレジットカード債権は、観光業者がクレジットカード会社に対して所有する売掛金です。
当然、一般的な売掛金と同じように資金繰りの負担になります。
現金取引の減少に伴い、相対的に信用取引が増加する流れは、今後加速していくと考えられます。
これからの時代、観光業の資金繰りは、売掛金の負担といかに向き合うかが重要です。

観光業は収益力が低い

 
観光業の資金繰りの難易度が高まっている理由は、現金取引の減少だけではありません。
観光業は収益力が低い業種でもあるのです。
2021年度に日本ホテル協会が公表したデータによれば、ホテル業の平均利益率は9.3%となっています。
また、2022年度の日本政策金融公庫の発表によると、旅館業の平均利益率は10%です。
9~10%といえば、利益率としてはかなり優秀な水準です。
しかしながら、この数値は観光業の実態を正しく反映したものとは言い難いでしょう。
財務操業政策研究所の調査(法人企業統計調査2018)では、宿泊業の利益率は3.7%となっており、全産業の平均利益率(4.4%)を下回っているのです。
観光業は、他の業種よりも利益率を上げることが難しいといわれます。
というのも、観光業は人件費や設備費などの固定費の比率が高く、利益率の改善が困難なためです。

人手不足の問題

 
日本において、人手不足は大きな社会問題となっています。
帝国データバンクが2023年7月に発表したデータ(企業の正社員・アルバイト従業員動向調査)によれば、国内で人手不足を感じている企業の割合は5割を超えています。
観光業では特に人手不足が深刻化しており、観光業の中でも宿泊業では実に8割の企業が人手不足の状態です。
他の業種では、コロナ禍によって流出した人材が徐々に戻っていますが、観光業ではこの流れが鈍く、人材確保に苦しんでいます。
観光業で人材を確保するには、それなりの取り組みが必要です。
例えば、賃金の引上げ、職場の環境改善、福利厚生の充実、働き方の多様化などなど。
どれも簡単に踏み切れるものではなく、どれをとってもコスト高を招き、収益を圧迫します。
人材不足は、観光業の収益力の大きな足かせになっているのです。

設備投資の必要性

 
また、設備投資も観光業の負担となっています。
観光業の多くは、適切な設備投資が欠かせません。
中でも宿泊業は、設備の良し悪しによって業績が大きく左右されます。
コロナ禍の前後では社会の仕組みも大きく変わり、時代に合わせた設備投資が必要です。
また、老朽化した設備の更新にも多額の費用がかかります。
資金繰りが苦しいからといって、設備投資を後回しにしてしまうと、顧客の満足度にダイレクトに影響し、業績悪化を招くでしょう。
かといって、安易に投資すれば計画通りの成果が得られず、負担が増加するばかりです。
設備投資も、観光業には厄介な問題となっています。

資金調達が難しい

 
観光業が生き残っていくには、人材確保と設備投資が急務です。
しかし、これらの取り組みにはまとまった資金が必要となります。
手元資金が薄い中で無理に取り組むと、資金ショートを引き起こす危険があります。
事前に十分な資金を調達しておくべきですが、観光業の資金調達は容易ではありません。
観光業に限らず、資金調達の軸は銀行融資です。
銀行は、低金利で多額の融資にも対応しているため、まとまった資金を調達するには好都合といえます。
しかし観光業では、多くの企業が銀行融資に苦労します。
なぜならば、上記の通り観光業は収益力が低いためです。
詳しくは後述しますが、銀行は融資先の収益力を重視します。
収益力が低い会社、貸倒れリスクが高いため簡単には融資できません。
したがって、観光業においては、銀行融資への過度な依存は禁物です。
様々な方法で資金を調達できる環境を整え、資金繰りの安定を目指す必要があります。

ファクタリングとは?
観光業が資金を調達する上で、非常に役立つのがファクタリングです。
ファクタリングとは、企業が保有している売掛金売掛債権(売掛金)をファクタリング会社が買取し、入金期日前に資金化できる資金調達方法です。

ファクタリングが日本に普及したのはここ数年で、観光業でも年々利用者は増えております。

また、米国ではメジャーな資金調達方法の一つです。
なぜ、観光業の資金繰りにファクタリングが役立つのでしょうか。
ここからは、ファクタリングの基礎知識を解説します。

ファクタリングは売掛金の早期資金化

 
ファクタリングに利用するのは売掛金であり、売掛金は信用取引によって発生する債権の一種です。
観光業でも、個人消費者がクレジットカード決済をすればクレジットカード債権が発生し、法人と取引すれば売掛金が発生します。
売掛金は、支払期日に売掛先から代金を受け取る権利です。
逆にいえば、支払期日までは代金を回収できないため、資金繰りの負担になります。
この負担を避けるには、売掛金をできるだけ素早く回収することが重要です。
そこでファクタリングが役立ちます。
ファクタリングでは、支払期日前の売掛金をファクタリング会社に売却します。
結果的に、支払期日を待たずに売掛金を回収できるわけです。
つまり、ファクタリングには売掛金の早期資金化サービスとしての側面があります。
このことは、金融庁のファクタリングの定義からも明らかです。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

ファクタリングの法的根拠

 
ここで気になるのが、ファクタリングの法的根拠です。
観光業でファクタリングの利用が広がっているとはいえ、ファクタリングはまだまだマイナーな存在です。
このため、ファクタリングに関する正しい知識が浸透していません。
また、法整備も十分ではなく、悪質業者が紛れ込みやすい状況です。
実際に、悪質業者が摘発される例も少なくないため、観光業でも「ファクタリングが危険なもの」、「ファクタリングは違法」といった見方が根強く残っています。
しかし、ファクタリングは完全に合法であり、法的根拠も明確です。
金融庁の定義には、「ファクタリングは法的に債権譲渡」とあり、ファクタリングの法的根拠はここにあります。
以下のように、民法第466条では債権譲渡を認めているのです。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
簡単にまとめると、
「観光業者の売掛金は、ファクタリング会社に譲り渡すことができる」
「当事者(売掛先)が売掛金の譲渡を禁止または制限している場合でも、観光業者の債権譲渡は法的に有効である」
ということです。
ファクタリングは法的に債権譲渡ですから、債権譲渡が合法であればファクタリングも合法といえます。
さらに、譲渡が禁止されている売掛金でさえ、法的にはファクタリング可能です。
詳しくは後述しますが、観光業では売掛金の譲渡が制限されるケースが少なくありません。
例えば、クレジットカード会社は加盟店規約の中で、クレジットカード債権の譲渡を禁止しています。
これは、実質的にファクタリングを禁止していることにほかなりません。
しかしながら、民法第では、そのような場合でさえ譲渡を認めています。
このことから、ファクタリングは法的にみても観光業に優しい資金調達方法といえるでしょう。
ファクタリングは政府も推奨しており、今後も観光業にとって追い風になると考えられます。

観光業で利用できるファクタリング方式

 
一口にファクタリングといっても、観光業で利用できるファクタリングにはいくつかの方式があります。
ファクタリング方式を大別すると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、また2社間ファクタリングの派生形としてオンラインファクタリングがあるのです。
それぞれを簡単に説明すると以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式

では、これらの方式のうち、観光業ではどれを選ぶべきでしょうか。
方式別の特徴とともにみていきましょう。

観光業と2社間ファクタリング

 
現在、観光業で最も普及しているのは2社間ファクタリングです。
もっとも、2社間ファクタリングが普及しているのは観光業だけではありません。
どの業種の会社も、基本的には2社間ファクタリングを選んでいます。
これは、2社間ファクタリングの利便性・資金調達スピード・秘匿性によるものです。
2社間ファクタリングは、売掛先が一切関与しない方式です。
売掛先が関与しないだけに、手続きの流れが簡単であり、資金調達スピードにも優れています。
したがって、手軽に資金を調達したい場合や、資金調達を急いでいる場合には、観光業でも2社間ファクタリングを選ぶと良いでしょう。
観光業にとって、さらに重要なのが秘匿性です。
2社間ファクタリングは売掛先が関与しないため、ファクタリングの利用を知られることもありません。
観光業のファクタリングでは、これが大きなメリットになります。
前述の通り、観光業はクレジットカード決済の導入率が高く、クレジットカード債権の場合、売掛先(支払人)はクレジットカード会社です。
クレジットカードの加盟店規約は売掛金の譲渡(ファクタリング)を禁止しており、違反した加盟店はペナルティを課せられます。
このため、クレジットカード会社に知られない形でファクタリングしなければならず、秘匿性の高い2社間ファクタリングが役立つのです。
ただし、2社間ファクタリングは他の方式に比べて手数料が割高になります。
観光業の収益力は低いため、手数料負担に注意が必要です。

観光業とオンラインファクタリング

 
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングの手続きを全てオンライン化したものです。
申し込みから契約まで一貫してオンラインで手続きし、売掛先は関与しません。
オンラインの活用によって利便性がさらに高まり、資金調達スピードも向上しています。
利便性や資金調達スピードを重視する観光業者には、オンラインファクタリングがおすすめです。
また、オンラインファクタリングの秘匿性は極めて優れており、売掛先にファクタリングの利用を知られるリスクはほぼゼロといえます。
従来の2社間ファクタリングは、債権譲渡登記を求められることが多く、登記情報からファクタリングが露見することがありました。
しかしオンラインファクタリングは、債権譲渡登記を原則不要とするサービスが多く、登記情報からファクタリングの利用を知られることはありません。
観光業のファクタリングでは秘匿性が重要となるため、オンラインファクタリングが役立ちます。
さらに、オンラインファクタリングは手数料の面でも優れています。
収益力が低い観光業だからこそ、手数料が安いことは大きなメリットになるでしょう。

観光業と3社間ファクタリング

 
3社間ファクタリングは、売掛先が必ず関与します。
売掛先を含めて取引するため、他の方式よりも手続きが煩雑であり、資金調達スピードも劣ります。
また、3社間での取引が成立しなければ、3社間ファクタリングは利用できません。
売掛先が債権譲渡を拒否すれば、資金調達そのものが失敗に終わるのです。
観光業でクレジットカード債権をファクタリングする場合、クレジットカード会社がファクタリングに承諾することはあり得ず、3社間ファクタリングは不可能といえます。
その他の売掛金であれば、売掛先が協力してくれる場合に限り、3社間ファクタリングを利用できます。
実際には、観光業で3社間ファクタリングが選ばれることは少なく、基本的には2社間ファクタリング(オンラインファクタリングを含む)を選ぶことになるでしょう。

観光業の企業の、ファクタリング(資金調達)事例について説明します。

あるホテルは、有名予約サイトと契約しており、予約サイト経由で3月に宿泊したお客様の料金が、4月末に支払われます。

この場合、ホテル側はサービスを提供してから最長2ヶ月は入金がありません。

ファクタリングを利用すれば、4月末支払いの売掛債権(売掛金)を、早期資金化することが可能です。

ファクタリングについての詳しい説明はこちら

ホテル業や旅館業観光業でファクタリングの利用が可能な売掛金売掛債権(売掛金) 
先程、ご説明したように一般消費者(個人)の売掛債権(売掛金)はファクタリングできません。

では、ホテル業や旅館業で観光業ではどのような売掛金売掛債権(売掛金)がファクタリングできるのでしょうか?

①法人契約により発生した売掛金売掛債権(売掛金)

 
観光業でも、法人と取引することで売掛金が発生します。
たとえば、建設会社などが工事を行う際に現場の近くのホテルや旅館と長期滞在契約を結ぶケースです。があります。

このような場合、支払いは一般消費者(個人)のように即日支払いではなく、末締めの翌月末払いなどの売掛金売掛債権(売掛金)になってしまう場合があります。

このような場合は、ファクタリングは利用可能です。

また、ホテルや旅館にとって、長期的な売上、予約が確約されている法人契約は魅力的です。

ですが、支払期日が来るまで売掛金売掛債権(売掛金)になってしまいます。

この入金までのブランク(期間)をファクタリングで埋めることが出来ます。

そのほか、法人からの売掛金売掛債権(売掛金)があればファクタリングが利用できる可能性があります。

お気軽にお問い合わせ下さい。

②予約サイトや旅行代理店の売掛金売掛債権(売掛金)

 

ホテルや旅館観光業を営む上で、予約サイトや旅行代理店経由の集客はビジネスのかなめともいえます。

予約サイトや旅行代理店を利用して宿泊予約した場合、消費者は事前に宿泊代金を予約サイトや旅行代理店へ支払うケースがあります。

近年キャッシュレス化の普及により、事前決済される消費者は増えてきており今後更に増えることが見込まれます。

予約サイトや旅行代理店は、集客できていいのですが、入金までに時間がかかってしまうことがデメリットです。

このデメリットを埋めることができるのがファクタリングです。

クレジットカード決済の売上(クレジットカード債権)

 
ここまでもたびたび述べたように、ファクタリングはクレジットカード債権の買い取りにも対応しています。
観光業はクレジットカード決済の導入率が高いため、クレジットカード債権のファクタリングもごく一般的です。
クレジットカード決済を導入すると、現金での決済が減少するため資金繰り的にはマイナスになります。
その反面、キャッシュレス決済を希望する顧客を取り込むことができ、売上の維持・向上が期待できる点はメリットです。
観光業でこのメリットをうまく活かすには、クレジットカード債権の負担を軽減することが重要です。
いくら売上が増えても、クレジットカード債権の負担に耐えられなければ、黒字倒産の恐れがあります。
ファクタリングを利用すれば、黒字倒産は容易に回避できます。
回収に時間がかかるクレジットカード債権も、ファクタリングで早期資金化すれば負担を回避できるのです。
クレジットカード債権の扱いに悩んでいる観光業者は、ファクタリングを活用しましょう。

観光業でファクタリングするメリット

 
観光業でファクタリングを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ファクタリングには多くのメリットがありますが、ここでは特に観光業にとって役立つメリットを解説します。

銀行融資よりも審査に通りやすい

 
観光業でファクタリングするメリットは、何といっても資金調達のしやすさです。
特に、銀行融資と比較した場合、ファクタリングは圧倒的に審査のハードルが低いです。

観光業は銀行融資が厳しい

 
観光業でも、銀行融資を資金調達の軸と考えている会社は多いことと思います。
確かに、銀行融資は観光業で最もメジャーな資金調達方法です。
とはいえ、観光業者が銀行融資の審査に通るのは容易ではありません。
観光業は収益力が低いことは、既に解説した通りです。
収益力は「利益を稼ぎだす力」を意味します。
銀行の融資審査では、本業から得られる利益だけを返済原資とみなし、返済力が十分な観光業者にかぎって融資します。
逆にいえば、収益力が低い観光業者にとって、融資審査のハードルは極めて高いということです。
実際に、観光業では、収益力の低さを理由に融資を断られる会社が多いです。
業績悪化や赤字転落、特に2期以上の連続赤字に陥っている観光業者が、民間金融機関から融資を受けることは難しいでしょう。
公的金融機関ならばz、現状の収益力だけではなく将来的な収益力も加味してくれます。
たとえ観光業であっても、事業計画書がしっかりしていれば審査に通るかもしれません。
とはいえ、経済情勢がまだまだ不安定な昨今、観光業の先行きも見通しがつきにくい状況です。
説得力のある事業計画書を作るのは難しく、公的金融機関の融資審査に落ちる観光業者は少なくありません。

観光業で安易なビジネスローンはNG

 
金融機関から融資を受けられない観光業者は、次善策としてビジネスローンを選ぶケースも多いです。
しかし、観光業で安易なビジネスローンはNGと考えて下さい。
というのも、ビジネスローンは金利が高く、融資環境を悪化させるためです。
ビジネスローンの金利は年15~20%程度、つまり法律が定める上限金利に近い水準で設定されるのが普通です。
ビジネスローンの融資先は、銀行融資に落ちた会社が大部分を占めています。
観光業者が収益力を問題視されて銀行融資を受けられないように、ビジネスローンを利用する会社は多かれ少なかれ問題を抱えています。
問題のある観光業者にあえて融資するだけではなく、ビジネスローンは無担保が基本です。
そのため、貸金業者は、リスクヘッジのために金利を高くせざるを得ません。
これに伴い、高額の利息が観光業者の収益をさらに圧迫します。
ただでさえ「収益力に問題あり」とされている観光業者が、ビジネスローンによってさらなる収益力の低下を招くとなれば、銀行融資の道はさらに遠のくでしょう。
実際に、銀行はビジネスローンを非常に嫌います。
収益力がそれなりに高い観光業者でも、ビジネスローンからの借入れがあることによって、銀行融資を受けられなくなることがあります。
したがって、観光業ではビジネスローンを極力避けるべきです。

ファクタリングの審査基準

 
では、銀行融資を受けられない観光業者はどうすればよいのでしょうか。
そのような場合に役立つのがファクタリングです。
融資とファクタリングでは、審査基準が大きく異なります。
融資の審査基準は、融資先の観光業者です。
経営に問題がある観光業者は、銀行・日本政策金融公庫・ビジネスローンの全ての審査に落ちることも考えられます。
これに対し、ファクタリングの審査基準は、「ファクタリングを利用する観光業者」ではなく「売掛金」です。
ファクタリング会社は、観光業者の売掛金を割安に買い取り、支払期日に満額回収することで利益を得ています。
つまり、ファクタリング会社が収益を得るには、売掛金を回収できるかどうかが重要です。
このため、利用する観光業者の経営に問題があっても、売掛先に問題がなければ審査に通ります。
特に、観光業でファクタリングする場合、クレジットカード債権を利用することも多いです。
クレジットカード債権の売掛先はクレジットカード会社であり、その多くは大企業です。
クレジットカード会社は財務健全性が高く、加盟店である観光業者への支払いが滞ることは基本的に考えられません。
ファクタリング会社にとって、クレジットカード債権は回収不能リスクが低く、安心して買い取れる優良債権といえます。
当然、クレジットカード債権はファクタリング審査に通りやすく、条件も良いというわけです。

あらゆる観光業者がファクタリング可能

ファクタリングは、あらゆる観光業者に利用できます。
以下のように、銀行融資がほぼNG(あるいは100%NG)という状況であっても、ファクタリングならば審査に通るのです。

  • 長期にわたって業績悪化が続いている観光業者
  • 2期以上の連続赤字に陥っている観光業者
  • コロナ禍で大打撃を受け、黒字転換したばかりの(予断を許さない)観光業者
  • 債務超過に陥っている観光業者
  • リスケジュール中の観光業者
  • 税金や社会保険料を滞納している観光業者

このような問題を抱えている場合、観光業でなくとも銀行融資は絶望的です。
しかし、ファクタリングならば審査に通ります。
銀行融資を受けられない観光業者は、ビジネスローンよりもファクタリングを優先し、融資環境の改善に取り組みましょう。

無担保・無保証で利用できる

 
観光業でファクタリングする際には、原則として無担保・無保証で利用できます。
これも、観光業には大きなメリットです。

観光業の借入れは担保・保証が重要

 
観光業で銀行融資を受ける場合、担保・保証が重要となります。
これは、銀行融資が法的に消費貸借であるためです。
民法では、消費貸借について以下のように定めています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
これを一言でまとめると、消費貸借は返済義務が前提ということです。
銀行から借りたお金は必ず返済しなければなりません。
通常、本業から得た利益を返済に充てますが、観光業は収益力が低く、利益から返済できなくなることも考えられます。
そこで、銀行は不動産を担保にしたり、信用保証協会の保証を付けたりすることによって保全を図るのです。
では、観光業はどれくらい担保・保証を重視されるのでしょうか。
観光業の業態は多岐にわたりますが、大まかな分類ではサービス業に含まれます。
帝国データバンクが2016年に発表したデータ(国内企業22万社の融資等の保全状況実態調査) によれば、サービス業に属する企業のうち、全体の53.9%が有担保で融資を受けており、31.9%が有保証で融資を受けています。
観光業のうち、宿泊業などは不動産を所有しているため、不動産担保を求められる可能性が高いです。
同じ観光業でも、旅行代理店や観光地で娯楽業を営む場合、担保物件を持ちづらいため保証付融資になるでしょう。
特に、サービス業の保証付融資は、全産業平均が25.0%であることに比べると高い水準です。
また、サービス業で無担保・無保証で融資を受けられる会社は全体の14.1%に過ぎません。
このことから、観光業者が無担保・無保証の条件で融資を受けることは難しいと考えるべきです。
実際に、担保・保証の不足を理由に融資を断られる観光業者が少なくありません。

ファクタリングは原則無担保・無保証

 
観光業で担保・保証が不足している会社は、ファクタリングの活用をおすすめします。
ファクタリングは原則として無担保・無保証で利用できます。
なぜ無担保・無保証で利用できるかといえば、それはファクタリングが法的に債権譲渡だからです。
消費貸借とは異なり、債権譲渡には返済義務がありません。
返済義務がない以上、担保・保証によって保全を図る理由もなくなります。
したがって、収益力に問題がある観光業者も、無担保・無保証で難なく資金を調達できます。
また、ファクタリングは、担保・保証に余裕がある観光業者にとっても利用価値が高いです。
観光業の先行きはまだまだ不透明ですから、いざというときのために担保・保証は温存しておきたいところ。
資金調達の際、担保または保証付きで融資を受けるのではなく、あえてファクタリングを利用することで担保・保証を温存できます。

利便性が高い

 
全産業中、人手不足が最も深刻なのは観光業です。
資金調達にあたり、人手不足を痛感している観光業者も多いことでしょう。
あまり手間をかけずに資金を調達したい場合、ファクタリングは非常に役立ちます。
ファクタリングは他の資金調達方法に比べて、圧倒的に利便性が高いです。

必要書類が少ない

 
資金調達方法ごとに利便性は大きく異なります。
利便性を左右する要素のうち、最たるものは「必要書類」です。
銀行融資の書類を考えると分かりやすいでしょう。
決算書や資金繰り表、試算表、事業計画書などの基本書類ほか、資金使途に応じた書類を提出しなければなりません。
決算書は税理士に依頼するのが普通ですが、資金繰り表や計画書の類は社内で作成するのが基本です。
この時、人手不足の観光業では書類作成が大きな負担となります。
なんとか書類を揃えたとしても、融資対策が不十分となり審査に落ちることも多いです。
かといって、資金調達のために新たな人材を確保するのは現実的ではありません。
これも、観光業で資金調達が難しい理由の一つになっています。
銀行融資に限らず、必要書類の取得・作成に手間がかかる資金調達方法は、観光業者にとって好ましくありません。
必要書類の少なさでは、ファクタリングがピカイチです。
ファクタリングは必要書類が少なく、内容も簡単なものばかりです。
例えば、観光業の会社がNo.1のファクタリングをご利用の際には、以下の4点をご提出いただきます。

  • 直近3ヶ月の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表)
  • 決算書直近2期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの)
  • 成因資料(請求書・発注書・納品書など)
  • 取引先企業との基本契約書

これらの書類は、観光業者でも簡単に揃えられるものばかりです。
必要書類が簡単に揃うということは、観光業者が資金を調達したいタイミングで、いつでも申し込めるということでもあります。
ファクタリングを取り入れることで、観光業者は柔軟な資金調達が可能となります。

オンラインに対応

 
銀行融資の場合、融資担当者や支店長との面談が必須となり、融資実行までにたびたび対面するものです。
ネットバンクなどのビジネスローンを除けば、来店・対面不要で融資実行ということは基本的にあり得ません。
その点、ファクタリングはオンラインに対応しており、人手不足の観光業には大きなメリットです。
既に解説した通り、ファクタリング方式のひとつにオンラインファクタリングがあります。
オンラインファクタリングは、申し込みから契約まで全てオンラインで手続きする方式です。
申し込みにあたって面談をしたり、契約時に対面で取引したりすることはありません。
対面契約のために、ファクタリング会社の営業所に出向いたり、ファクタリング会社の出張対応を受けたりする必要がなく、人手不足の観光業者でも安心して利用できます。
また、オンラインファクタリングは、従来のファクタリングよりも必要書類が少ない傾向があります。
No.1でも、従来のファクタリングは必要書類が4点であるのに対し、オンラインファクタリングは以下の3点だけで利用可能です。

  • 直近の決算書
  • 請求書
  • 通帳のコピー

観光業で手軽に調達したい方は、ぜひNo.1のオンラインファクタリングをご利用ください。

資金調達を急ぐ観光業者に最適

 
ファクタリングは資金調達スピードに優れています。
あらゆる資金調達方法の中でも、最もスピーディに調達できるのはファクタリングです。
したがって、資金調達を急ぐ観光業者にとって、ファクタリングが非常に役立ちます。

資金調達スピードの目安

 
ファクタリングの資金調達スピードの目安は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:最短即日
  • 3社間ファクタリング: 最短1週間程度
  • オンラインファクタリング:最短数時間

このように、ファクタリングは最短即日で資金調達できます。
もちろん、これは「最短即日対応」であって「100%即日対応」ではありません。
2社間ファクタリングでも、「最短翌営業日」「初回利用は最短3営業日」などに設定するケースがみられます。
とはいえ、2社間ファクタリングの多くが即日対応を基本としていることは事実です。
No.1の2社間ファクタリングも、特に問題がなければ即日中に調達いただけます。
観光業で銀行から融資を受ける場合、どれだけスムーズでも2週間程度、大抵は1ヶ月程度を要します。
「即日融資可」とするノンバンクのビジネスローンも、数営業日を要するケースが一般的です。
資金調達を急いでいる観光業者は、銀行融資では間に合いません。
緊急性が高ければ、ビジネスローンでの調達も不安です。
そんな時こそファクタリングを利用してください。
2社間ファクタリングは最短即日、オンラインファクタリングは最短数時間での調達も可能です。
No.1のオンラインファクタリングでは、最短60分入金の実績も多数ございます。

イレギュラーな出費に対応

 
観光業は、他の業種よりもイレギュラーな出費が多いです。
例えば、設備の故障や人手不足が挙げられます。
観光業のうち、旅館業やホテル業は設備が売上に直結します。
客室の設備にトラブルが生じた場合、その客室は稼働できなくなり、売上の悪化は避けられません。
再稼働のためにも、設備の修理や入れ替えを早急に行う必要があります。
また、突発的に需要が増加した場合、観光業では単発バイトなどで人手不足をカバーするケースが増えています。
これもイレギュラーな出費であり、資金繰りに余裕がない観光業者ほど資金ショートに注意しなければなりません。
イレギュラーな出費が発生した場合、ファクタリングが最適です。
ファクタリングは最短即日で資金を調達できるため、イレギュラーな出費にも柔軟に対応できます。
2023年以降、インバウンドの回復によって宿泊業の需要が高まり、人手不足が加速しています。
これからの観光業者は、様々な出費をファクタリングでこなせるかどうかによって、明暗が分かれてくるでしょう。

業歴に関係なく利用できる

 
ファクタリングは、利用会社の業歴を問いません。
このため、業歴が短い観光業者でも安心して資金を調達できます。

観光業は開業率が高い

 
全業種のうち、開業率が最も高いのは観光業です。
2021年版の小規模企業白書で業種別の開業率をみると、最も高いのが「宿泊業、飲食サービス業(8.7%)」、次に高いのが「生活関連サービス業、娯楽業(6.3%)」となっています。
いずれの業種も観光業と密接な関係にあり、観光業そのものの開業率が高いといってよいでしょう。
ちなみに、廃業率が最も高いのも観光業です。
「宿泊業、飲食サービス業」の廃業率は5.9%、「生活関連サービス業、娯楽業」の廃業率は4.8%となっています。
とはいえ、観光業では開業率が廃業率を大幅に上回っていることは事実です。
これは、観光業では新規開業の事業者が多いことを意味します。
新規開業の観光業者にとって、必ず苦労するのが資金繰りです。
開業後間もない時期は売上が不安定であり、財務も脆弱です。
さらに、資金調達も容易ではありません。
業歴は信用を裏付ける重要な要素であり、業歴が短いほど融資を受けにくくなるのです。
ただでさえ、観光業は収益力の低さから銀行融資が難しいといわれます。
それに加えて、業歴が短いとなれば、銀行融資は一層困難と言わざるを得ません。
開業率が高いだけに、資金調達に悩んでいる観光業者は多いはずです。

ファクタリングは業歴不問

 
開業後間もない観光業者には、ファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは業歴不問であり、開業後間もない観光業者でも利用可能です。
繰り返す通り、ファクタリングの審査基準は売掛金であり、利用会社の状況に関係なく利用できます。
利用する観光業者の業歴が短くとも、売掛金に問題がなければ審査に通るのです。
もちろん、業歴を理由にファクタリング条件が悪化することもありません。
業歴が短い観光業者はもちろん、開業後間もない観光業者でも安心してファクタリングできます。
唯一注意すべきは、創業1年目の観光業者です。
一部のファクタリング会社は、業歴不問としつつも、創業1年未満の観光業者に限り「要相談」としたり、ファクタリングを受け付けない場合があります。
もっとも、創業1年目でも利用できるファクタリング会社がたくさんあるため、さほど問題にはならないでしょう。

多額の資金調達に対応

 
ファクタリングは、観光業がスピーディに調達できる方法として人気を集めています。
「スピーディに」「柔軟に」といった場合、多くは短期的な少額資金の調達になります。
このため、ファクタリングは少額の調達に利用するものというイメージも強いです。
しかし、ファクタリングは多額の資金調達に対応しています。

ファクタリングの調達限度額

 
ファクタリングは、手元の売掛金を早期資金化する資金調達方法です。
したがって、ファクタリングの調達可能額は、手元売掛金によって決まります。
観光業のクレジットカード債権を例に考えてみましょう。
クレジットカード債権の回収サイトは、契約するクレジットカード会社によって異なります。
よくあるのは、当月分のクレジットカード決済を月末に確定し、翌々月末に支払うパターンです。
この場合、回収サイトは2ヶ月になります。
クレジットカード決済による売上を毎月1000万円とすると、クレジットカード債権の平残は2000万円です。
したがって、この観光業者がファクタリングで調達できる金額(ファクタリング会社に譲渡できる売掛金の総額)は2000万円が限度となります。
実際には、ファクタリング手数料が差し引かれるため、「手元の売掛金の総額-ファクタリング手数料」が調達上限です。
手元の売掛金が多い観光業者は、ファクタリングで多額の資金を調達できます。

観光業の投資資金はファクタリングで調達

 
観光業は、投資のために多額の資金を要することが少なくありません。
老朽化した施設をメンテンナンスしたり、客室の設備を入れ替えたり、数年ごとに大規模な塗装工事や防水工事が必要になることも。
また近年、宿泊業では後継者がおらず廃業するケースも増えていることから、観光業ではM&Aも活発化しています。
設備投資や新規店舗の出店、M&Aなどの投資活動には多額の資金が必要です。
収益力が低い観光業において、銀行融資で投資資金を全額調達するのは難しいでしょう。
その場合、役立つのがファクタリングです。
多くのファクタリング会社は、数千万円~数億円以上の調達に対応しています。
No.1のファクタリングサービスも、売掛金1件につき5000万円まで買取可能です。
手元の売掛金が多い観光業者ならば、投資資金の全額をファクタリングで調達できるかもしれません。
特に、クレジットカード決済が多い観光業者は、回収サイトの長期化によって手元の売掛金が増える傾向があるため、ファクタリングで調達できる金額も大きくなります。
ファクタリングだけでは不足する場合、ファクタリングと銀行融資を組み合わせるのがおすすめです。
銀行融資は、観光業者の財務内容から調達余力を算出し、それを超える金額は決して融資しません。
逆にいえば、借入希望額が小さいほど、融資審査に通りやすくなります。
例えば、投資資金3000万円を調達する場合、「銀行融資で3000万円調達」とするよりも、「ファクタリングで1500万円調達、銀行融資で1500万円調達」としたほうが審査に通りやすいのです。
観光業で多額の資金を調達する際には、ぜひファクタリングを活用してください。

資金繰りを改善できる

 
ファクタリングは、資金繰り改善にも役立ちます。
資金繰り悪化に悩んでいる観光業者は、ファクタリングの活用をおすすめします。

観光業の回収サイト

 
令和元年の中小企業実態基本調査によれば、宿泊業・飲食サービス業の回収サイトは0.25ヶ月でした。
全業種の平均的な回収サイトは1.23ヶ月ですから、宿泊業・飲食サービス業の回収サイトはかなり短く、資金繰りもラクといえるでしょう。
しかし、これはあくまでも、現金決済が多い宿泊業のデータです。
観光業全体でみれば、資金繰り悪化に苦しむ会社が増えています。
主な理由は、キャッシュレス決済の急速な普及に伴い、現金決済が減少しているためです。
現金で即座に回収する場合、回収サイトは0日です。
しかし、現金決済からクレジットカード決済に変わった場合、「月末締め・翌月末支払い」ならば回収サイトは1ヶ月、「月末締め・翌々月末払い」ならば回収サイトは2ヶ月となります。
元来、回収サイトが短い宿泊業でも、キャッシュレス決済が増えるにつれて回収サイトは長期化するのです。
将来的には、回収サイトが他の業種と同じ水準になったり、場合によっては他の業種よりも長期化することも考えられます。

回収サイトと資金繰りの関係

 
回収サイトと資金繰りは密接な関係にあります。
基本的に、回収サイトが長いほど資金繰りが悪化し、回収サイトが短いほど資金繰りがラクになると考えてください。
回収サイトが長いということは、売掛金が現金に変わるまでに時間がかかるということです。
これにより、手元で滞留する売掛金が増加するため、なかなかお金が入ってこない中で資金繰りを回さなければなりません。
当然、資金繰りは苦しくなります。
逆に、回収サイトが短いほど現金がスムーズに入ってきます。
全て現金取引先(回収サイト0日)ならば、売上を即資金繰りに活用でき、資金繰りに苦労することはありません。
このように、「回収サイトが長い(手元の売掛金が多い)ほど資金繰りが悪化し、回収サイトが短い(手元の売掛金が少ない)ほど資金繰りが改善する」のが資金繰りの原則です。

観光業の資金繰り改善にファクタリングが役立つ

 
資金繰りの原則から考えると、資金繰りを改善するには回収サイトの短縮(手元の売掛金を減らすこと)が重要です。
一般的には、売掛先に支払条件の見直しを求め、時間をかけて交渉し、徐々に回収サイトを短縮していきます。
しかしながら、観光業ではこのような資金繰り改善が困難です。
観光業は、全業種中で最もクレジットカード決済の導入率が高く、クレジットカード債権によって回収サイトが長期化するケースが少なくありません。
この場合、売掛先に支払条件の見直しを求めることは不可能です。
クレジットカード会社の支払いサイクルは、加盟店ごとに個別に設定しているわけではなく、全ての加盟店に対して一律で設定しています。
クレジットカード会社が「月末締め・翌々月末払い(回収サイトは2ヶ月)」と決めているならば、加盟店はそれに従わなければなりません。
そもそも、支払条件を受け入れた上で加盟店契約を結んでいるのですから、交渉の余地はないのです。
この場合、観光業で資金繰りを改善するには、ファクタリングが唯一の方法です。
例えば、2ヶ月後回収予定のクレジットカード債権をファクタリングし、即日中に資金化すると、実質的な回収サイトは「2ヶ月→0日」に短縮されます。
ファクタリングした分だけ手元のクレジットカード債権は減少し、資金繰りは確実に改善します。
観光業で資金繰り悪化に悩んでいる会社は、ファクタリングで資金繰りの維持・改善を図りましょう。

回収不能リスクを回避できる

 
ファクタリングは、資金調達や資金繰り改善だけではなく、回収不能リスクの回避にも効果的です。
観光業のリスクマネジメントには、ファクタリングを活用しましょう。

ファクタリングは「償還請求権なし」

 
ファクタリングが回収不能リスクの回避に役立つのは、ファクタリング契約が原則的に「償還請求権なし」のためです。
償還請求権とは、譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、譲受人が譲渡人に買い戻しを求める権利です。
「償還請求権あり」の契約では、回収不能になった売掛金を買い戻さなければならず、回収不能リスクの回避にはつながりません。
しかし「償還請求権なし」の場合、回収不能時に買い戻しを求められることはありません。
回収不能時には、督促や法的手続きなどの回収実務が必要となり、回収を図っても全額回収できないケースがほとんどです。
場合によっては、多額の貸倒損失が発生します。
「償還請求権なし」の条件下では、それらの損失をすべて譲受人が負担するのです。
これは、本来譲渡人が負うべき回収不能リスクを、譲受人が肩代わりすることを意味します。
ファクタリングは「償還請求権なし」のため、回収不能リスクの軽減・回避に効果的です。

ファクタリングで回収不能リスクを軽減

 
繰り返す通り、観光業は収益力が低く、利益率に問題を抱える観光業者も多いです。
収益力が低い会社ほど、回収不能によるダメージが深刻になります。
例えば、ある観光業者で売掛金が回収不能になり、500万円の貸倒損失が発生したとしましょう。
この観光業者の利益率を5%とした場合、500万円の損失を取り返すには1億円の売上が必要です。
損失の回復に苦労している間に資金繰りがショートし、倒産に追い込まれることも考えられます。
収益力が低い観光業だからこそ、回収不能リスクのコントロールは死活問題といえます。
とはいえ、回収不能リスクを軽減するには与信管理が欠かせません。
人手不足が深刻な観光業において、与信管理のための専門の人材を確保したり、信用調査にコストをかけたりするのは現実的ではないでしょう。
そこで役立つのがファクタリングです。
ファクタリングすれば、回収不能リスクをファクタリング会社に転嫁できます。
ファクタリングした売掛金についてはリスクがゼロになるため、与信管理の負担も軽減されます。
ポイントは、回収不能リスクが高い売掛金を選んでファクタリングすることです。
例えば、額面金額が大きい売掛金や、回収に時間がかかる売掛金、あるいは新規取引先の売掛先などは回収不能リスクが高く、与信管理の負担も大きくなります。
そのような売掛金を優先的にファクタリングすれば、効率的に回収不能リスクを軽減できます。
逆に、クレジットカード債権のファクタリングは、回収不能リスクの軽減にあまり役立ちません。
クレジットカード会社は支払い能力が高いため、そもそも回収不能リスクがほとんどないのです。
売掛金の選び方にお悩みの方は、No.1にご相談ください。
弊社のスタッフがヒアリングを行い、最適なファクタリングプランをご提案します。

観光業でファクタリングする際の注意点

 
上記の通り、ファクタリングは観光業にさまざまなメリットがあります。
しかし、観光業でファクタリングする際には、いくつかの点に注意が必要です。
ここからは、観光業のファクタリングの注意点を解説します。

売掛金によってはファクタリングできない

 
ファクタリングは売掛金を早期資金化するものですが、全ての売掛金がファクタリングできるとは限りません。
売掛金は、性質によって細分化されます。
単に「売掛金」という場合、請求内容が確定している売掛金、すなわち確定債権を意味します。
これに加えて、支払期日を過ぎていないことも条件です。
未請求の売掛金(将来債権)はファクタリングできないことが多く、支払期日を過ぎている売掛金(不良債権)に至っては完全にファクタリングの対象外です。
観光業でファクタリングする際には、法人との契約で発生した確定債権のほか、確定済みのクレジットカード債権などが対象となります。
ただし、クレジットカード債権のファクタリングは注意が必要です。
普通、クレジットカード会社の加盟店規約では、クレジットカード債権の譲渡を禁止しています。
債権譲渡が発覚した場合、加盟店契約の解除などのペナルティが課せられる恐れがあります。
つまり、クレジットカード債権には譲渡禁止特約がついているのです。
民法第466条は、譲渡禁止特約付きの債権でも譲渡を認めています。
しかし、これは譲渡禁止特約自体を禁止するものではありません。
クレジットカードが債権譲渡を禁止し、違反した場合にペナルティを課することは違法ではないのです。
したがって、観光業でクレジットカード債権をファクタリングする場合には、クレジットカード会社に知られない形でファクタリングする必要があります。
ファクタリング方式のうち、3社間ファクタリングは利用できず、2社間ファクタリングを選ぶこととなります。
また、ファクタリング会社によっては譲渡禁止特約付きの売掛金を対象外とするケースがしばしばです。
その場合、譲渡禁止特約付きの売掛金に対応している業者を選ぶ必要があり、ファクタリング会社の選択肢が減ります。
以上のように、観光業は売掛金が特殊であることから、思うようにファクタリングできないこともあります。
観光業でファクタリングする際には、利用可能かどうかを事前に問い合わせるのがよいでしょう。

手数料負担に要注意

 
ファクタリングの際には必ず手数料が発生します。
手数料の分だけ売掛金が目減りするため、手数料が高額であれば資金繰りの負担になります。
無計画なファクタリングは資金繰り悪化につながるため、注意が必要です。
特に観光業は利益率が低いため手数料次第では赤字に陥る危険があります。

ファクタリング手数料の相場

 
ファクタリングの手数料は、ファクタリング方式や売掛金の性質によって大きく変わります。
方式別の手数料率の相場は以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の10~30%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~10%
  • オンラインファクタリング:額面金額の10%以下

観光業でクレジットカード債権をファクタリングする場合、3社間ファクタリングは利用できないため、2社間ファクタリングまたはオンラインファクタリングを選ぶことになります。
2社間ファクタリングは方式の中で最も手数料率が高いため、観光業の利用には注意が必要です。
同じ2社間取引ならば、オンラインファクタリングを選ぶのが良いでしょう。
オンラインファクタリングは、3社間ファクタリング並みの手数料で利用できることも多く、収益力が低い観光業でも安心して利用できます。

クレジットカード債権は手数料が二重に

 
また、クレジットカード債権は手数料が二重になります。
クレジットカード会社に支払う決済手数料と、ファクタリング会社に支払うファクタリング手数料が二重にかかるのです。
決済手数料はクレジットカード会社によって異なりますが、目安は3~10%程度。
クレジットカード会社に支払う手数料は、オンラインファクタリングならば額面金額の10%以下。
ただし、クレジットカード債権は優良債権とみなされるため、一般的な売掛金よりも安い手数料でファクタリングできます。
仮に決済手数料を3%、ファクタリング手数料を5%とすると、全体で8%のコストがかかります。
クレジットカード債権のファクタリング手数料率が安いからといって、安心はできません。
観光業のファクタリングは、トータルコストに注意してください。

優良ファクタリング会社を選ぶ

 
観光業がファクタリング手数料を抑えるポイントは、優良ファクタリング会社を選ぶことです。
優良ファクタリング会社の手数料は、相場よりも安く利用できる設定されていることが多いです。
例えば、No.1のファクタリングサービスは、以下の条件でご利用いただけます。

  • 2社間ファクタリング:額面金額の5~15%
  • 3社間ファクタリング:額面金額の1~5%
  • オンラインファクタリング:額面金額の2~8%

相場と比べて、おおむね半分以下で利用できるため、利益率に悩む観光業者にも安心です。
また、オンラインファクタリングを利用できることも優良ファクタリング会社の利点といえます。
ファクタリング業界でオンライン化が始まったのはごく最近のことで、まだまだ普及していない状況です。
実際に、オンラインファクタリングを提供しているのは、No.1をはじめとする一部の優良ファクタリング会社に限られます。
観光業のファクタリングは手数料を抑えるのがポイントですから、「手数料の基本設定が安い」「オンラインファクタリングを選べる」とだけでも、観光業には大きなメリットです。
特にこだわりがなければ、観光業は優良ファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

悪質業者を避ける

 
最後に、悪質業者に注意してください。
ファクタリング業に関する法整備が不十分な現在、悪質業者の存在が問題視されています。
新規開業にあたり登録や許認可は必要なく、手数料率の上限規制もありません。
このため、規制が厳しい貸金業ではなく、あえてファクタリング業として営業する違法業者が少なくないのです。
金融庁は、悪質業者について以下のように注意を喚起しています。

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
この注意喚起にある通り、現在ファクタリング業界で問題視されているのは「ファクタリングを装って違法な貸付けを行う業者」です。
具体的に、何が違法かといえば「貸金業登録を受けずに貸付けを行っている」という点です。
無登録営業は貸金業法に違反します。
つまり、ファクタリングを装う悪質業者は、基本的にヤミ金と考えて間違いありません。
ヤミ金である以上、金利も違法水準です。
年利換算で数百~千%超の高金利で貸付け、違法な取り立てを行います。
また、担保・保証を求めたり、「償還請求権あり」の条件で契約したりするのも悪質業者の特徴です。
観光業でファクタリングする際に悪質業者を選んでしまうと、ファクタリングのメリットはほとんど得られず、デメリットばかりを被ることになります。
例えば、以下のような被害が想定されます。

  • 高額の手数料を請求され、資金繰りが悪化した。
  • 支払いを拒んだところ、悪質業者が売掛先に取り立てを行い、信用が悪化した。
  • 売掛金などの資産を担保として要求され、資金繰りに活用できる売掛金が減った。
  • 第三者の連帯保証を求められ、高額の請求を拒否できなくなった。
  • 「償還請求権あり」の条件で契約したため、買い戻しを請求されてしまった。

このように、悪質業者を選んでしまうとろくなことにはなりません。
観光業でファクタリングを活用するには、悪質業者を避けることが大前提と考えてください。

観光業とファクタリング まとめ

まとめ:観光業のファクタリングはNo.1におまかせください

今後、売上低下に伴う資金繰り悪化を避けるため、事前準備が必要です。

そのためにも資金調達のカードは多く持っておいた方が万が一の時の保険になります。

ファクタリングもその資金調達のカードの1枚です。

観光業でファクタリングが利用可能な会社は少ないですが、今ファクタリングを利用することが可能か調べることにより、将来の選択肢が増えます。

審査は無料ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。

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