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運転資金が足りないときの対策は? 原因と計算方法、今すぐできる資金繰り改善を解説
「運転資金が足りない」「支払いが重なって資金が不足している」といった状況は、どの企業にも起こる可能性があります。運転資金が不足すると、仕入れ代金や人件費、家賃などの支払いに影響が出る恐れがあるため、早めに状況を把握して必要な対策を検討することが重要です。
本記事では、運転資金の概要や足りなくなる理由、運転資金の目安を知るための計算方法、不足時の対策や資金調達の方法を分かりやすく解説します。運転資金不足や資金繰りにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事で分かること】
- 運転資金とは、事業を行う上で日常的に必要となる資金を指す
- 運転資金が足りなくなるのは、資金の出入りを把握できていないことや入金・支払いのタイミングのずれ、売り上げ拡大による支出の増加などが主な要因
- 運転資金が足りないときは、資金繰り表の作成や売掛金管理、在庫整理、支払いサイトの交渉、コスト削減などの対策が重要
- 公的融資・銀行融資・ファクタリング・ビジネスローンなどの資金調達方法を比較し、資金確保のスピード感や確保できる額などを踏まえて検討する必要がある
運転資金とは?
運転資金とは、事業を継続していくために日常的に必要となる資金を指します。具体的には家賃や光熱費、保険料、人件費など毎月発生する「固定費」の他、仕入れ費や材料費、外注費、消耗品費といった売り上げに応じて変動する「変動費」も含まれます。
運転資金が不足すると、日々の支払いに影響が出るだけではなく、仕入れや外注先への依頼などにも支障が生じる可能性があります。そのため、自社に必要な金額を把握し、早めに資金繰りを見直すことが大切です。
運転資金の5つの種類
運転資金は、主に以下の5種類に分類されます。
| 運転資金の種類 | 概要 |
| 経常運転資金 | 事業を営むために常に必要な資金(テナント料・人件費・毎月の仕入れ費用など) |
| 増加運転資金 | 売り上げが増加した際や、事業を拡大する際に必要な資金(大口案件の受注により一時的に増大した仕入れ費用や人件費など) |
| 減少運転資金 | 売り上げが減少した際、借り入れの返済や固定費の支払いが困難になった際に、その不足を補うための資金 |
| 季節性運転資金 | 季節やイベントに応じて売り上げが変動する業種に必要となる資金。賞与(夏・冬)や納税に必要な資金も含まれる |
| 特殊運転資金 | 想定外の修繕費やイレギュラーな出来事が発生した際などに必要となる資金 |
ビジネスチャンスを逃さないためにも、各資金の特性や必要なタイミングをしっかりと把握しておくことが大切です。
運転資金と設備資金の違い
運転資金と設備資金は混同されやすいものですが、用途や性質が異なります。
運転資金は日々の事業運営に必要な資金であり、継続して発生する支払いに充てられます。一方設備資金は、設備や車両、不動産など、長期的に収益を生み出す資産への投資に充てる資金です。
なお設備資金の支払いが滞り、半年以上未払いの状態が続くと、その未払分に充てる資金は運転資金に分類されます。これを「設備未払金決済運転資金」と呼びます。設備未払金決済運転資金が発生すると金融機関の融資審査に通りにくくなる可能性があるため、未払いが長期化する前に対応を取ることが重要です。
運転資金が足りなくなる理由
運転資金が足りなくなる背景には、さまざまな要因があります。ここでは、代表的な6つの理由を解説します。
資金の出入りを把握できていない
運転資金が不足する主な要因の一つが、資金の出入りを把握できていないことです。
この管理が不十分な状態では、どれだけ収入がありどの程度の支出があるのかを正確に把握できません。その結果、気付いたときには手元資金が不足し、運転資金を確保できなくなる場合があります。
帳簿上は利益が出ていても、手元の資金が足りなければ支払いに対応できず黒字倒産に陥る可能性もあります。こうした状況を避けるためにも、日頃から資金の流れを把握しておくことが重要です。
入金サイトと支払いサイトのずれ
入金までの期間と支払い期限のタイミングが合っていないことも、運転資金不足を招く要因の一つです。
企業間取引では、1カ月分の取引金額を定められたサイクルでまとめて後払いする掛取引が一般的です。そのため売り上げが発生しても、実際に現金が入るのは1カ月〜数カ月後になるケースが少なくありません。しかし、その間も家賃や人件費といった固定費や仕入れにかかる費用などは継続して発生します。
特に入金サイトが長く支払いサイトが短い場合は、入金と支出のタイミングにずれが生じやすくなります。この差が大きいと手元資金が不足し、運転資金が足りなくなってしまうのです。
売り上げ拡大による支出の増加
売り上げが伸びると支出も増え、かえって資金繰りが厳しくなるケースも少なくありません。
売り上げが増加すると、それに伴い仕入れ費用や材料費、人件費などの支出も増えていきます。このように事業規模の拡大に応じて必要となる資金が、先述した「増加運転資金」です。
増加運転資金を十分に確保できていない場合、増えたコストの支払いに対応できず、資金繰りが圧迫されることがあります。その結果、売り上げは好調でも手元資金が不足する状況に陥る可能性が高いです。
過剰在庫
在庫を抱え過ぎている状態が続くことも、運転資金の不足につながる要因の一つです。
在庫は販売されるまで代金を回収できないため、抱え過ぎると手元資金が少なくなります。適切な量に管理できていれば大きな問題にはなりにくいものの、在庫量が過剰になると、資金繰りを圧迫しかねません。また在庫が増えるほど、保管スペースの確保や管理にかかるコストも増えていくでしょう。
在庫を抱えた状態でも継続的に運転資金は発生するため、徐々に運転資金が足りなくなっていきます。
売掛金の回収遅れ
売掛金の回収が遅れることも、運転資金不足を招く大きな要因の一つです。
先述の通り、掛取引では売り上げから実際の入金までタイムラグがあります。取引先の経営状況の悪化などで、売掛金が予定通りに回収できない場合、入金までの期間がさらに長引くことがあります。その結果、本来支払いに充てる予定だった資金が確保できなくなるため、資金繰りが厳しくなるでしょう。
また万が一取引先が倒産して売掛金を回収できなくなった場合も、予定していた資金を確保できなくなる恐れがあります。状況によっては自社の事業継続にも影響が出るため、売掛金の入金予定や取引先の状況を定期的に確認しておくことが重要です。
想定外の支出
想定外の支出の発生によっても、運転資金が不足する場合があります。
事業を続けていると設備の故障やトラブル、自然災害などによる損害、急な修繕など、予期していなかった出費が発生するケースもあります。このような支出に対応するために、先述した「特殊運転資金」が確保できていれば問題ありませんが、余裕がない場合は大きな負担となるでしょう。
その結果、手元資金が一気に減少し、通常の支払いにも影響が出る可能性があります。
適切な運転資金の計算方法

運転資金の不足を防ぐためには、まず自社に必要な資金の目安を把握しておくことが大切です。ここでは、適切な運転資金の目安を把握するための計算方法を解説します。自社の状況に当てはめながら確認していきましょう。
1. 在高方式
運転資金を把握する方法として、一般的に用いられるのが「在高方式」です。在高方式では、貸借対照表の数値を基に必要な運転資金を算出します。
この計算に使用する項目は、以下の通りです。
- 売上債権:売掛金や受取手形など、将来入金される予定の資産
- 棚卸し資産:在庫・材料・仕掛品・半製品など
- 仕入れ債務:買掛金や支払手形など、将来支払う予定の負債
これらを用いた運転資金の算出方法は、以下の通りです。
- 売上債権 + 棚卸し資産 – 仕入れ債務
この式により、売掛金や在庫として一時的に資金が留まっている金額から、将来支払う予定の仕入れ債務を差し引き、事業運営に必要な運転資金の目安を把握できます。
2. 回転期間方式
回転期間方式は、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)を基に運転資金を計算する方式です。CCCとは、商品を仕入れてから現金として回収するまでの期間を指します。
この計算に使用する項目は、以下の通りです。
- 売上債権回転日数: 売り上げの発生から入金までの日数
- 棚卸し資産回転日数: 仕入れから販売までの日数
- 仕入れ債務回転日数: 仕入れから支払いまでの日数
これらの項目を以下の計算式に当てはめると、CCCが算出できます。
- 売上債権回転日数 + 棚卸し資産回転日数 – 仕入れ債務回転日数
算出されたCCCの数値が大きいほど、仕入れから代金の回収までに時間がかかることを意味します。入金より先に支払いが発生する期間が長くなるため、その分、多くの運転資金を確保しておくことが重要です。
在高方式による金額の把握に加え、回転期間方式で算出したCCCの長さも考慮することで、より実態に即した運転資金の必要額を把握できます。両方の視点から分析を行い、無理なく事業を継続できる運転資金の水準を見極めましょう。
運転資金が足りないときに取るべき対策
ここでは、運転資金が足りないときにまず検討したい5つの対応策をご紹介します。状況に応じて、取り組みやすいものから一つずつ進めていきましょう。
1. 資金繰り表の作成
まず取り組みたいのが、キャッシュフローの把握です。資金の流れを把握するには、資金繰り表の作成が有効です。
資金繰り表とは、一定期間における資金の流入と流出を整理し、見える化した管理表を指します。資金繰り表を作成すれば、いつ入金があり、いつ支払いが発生するのかが明確になり、資金が不足しそうなタイミングを事前に把握することが可能です。
手元資金が減少するタイミングを見極められれば、資金不足を防ぐための対策を事前に講じ、必要な運転資金の確保が容易になります。精度を高めるためには、月単位や週単位で作成し、余裕があれば日単位で管理を行いましょう。
また資金繰り表は一度作って終わりではなく、定期的に更新し続けることが重要です。定期的に見直しを行い、実際の入出金との差異を確認したり運転資金のショートを察知できたりすれば、より正確な資金管理を実現できます。
2. 売掛金管理の徹底
安定して運転資金を確保するためには、売掛金の徹底した管理が欠かせません。
いくら売り上げがあっても、売掛金が回収できなければ手元資金は増えず、支払いだけが先行し、資金繰りが悪化する原因になります。
既存の取引先については、入金予定日を正確に把握し、万が一遅延が発生した場合の連絡や督促のルールをあらかじめ決めておくことが重要です。また入金サイトが長い場合は、条件の見直しについて交渉を行うことも検討しましょう。
新規取引先に対しては与信管理を徹底し、確実に回収できる条件で契約を結ぶことが大切です。
3. 在庫の整理・処分
過剰な在庫を抱えている場合は、在庫の整理・処分を検討しましょう。
回転率が低い在庫は、値引き販売などで整理しながら現金化を図り、それでも動かない場合は処分も視野に入れる必要があります。資金が商品として滞留している状態を解消すれば、手元資金の回復につながるでしょう。
併せて在庫管理の見直しを行い、適正な在庫水準を維持することも大切です。不要な仕入れを防ぎ、管理や保管にかかるコストも削減できるため、資金繰りの改善と運転資金の確保につながります。
4. 支払いサイトの交渉
支払いサイトの交渉を行うのも、運転資金が足りないときに有効な対策の一つです。
売掛金が入金されるまでの期間に対して支払い期限が短いと、資金不足の期間が長くなります。支払いサイトを延長できれば手元資金に余裕が生まれ、資金繰りの安定につながるでしょう。
ただし、支払い条件の変更は取引先との信頼関係に影響を与える可能性があります。自社の事情を丁寧に説明し、相手の理解を得ながら慎重に進めることが重要です。相手側にとってもメリットのある条件を示すことで、交渉がスムーズに進みやすくなることがあります。
もし交渉が難しい場合は、経費の一部をクレジットカードで支払うことで実質的に支払いを先延ばしにする方法も有効です。また、請求書の後払い決済サービスを活用し、支払いサイトを延長する方法も検討しましょう。
5. コスト削減
運転資金が足りない状況を防ぐためには、日常的なコストの見直しも欠かせません。日々の支出を見直してみると、削減できるコストや工夫次第で圧縮できる費用が見つかることがあります。
特に、売り上げに関係なく発生する固定費を見直すことで、売り上げが落ちた場合でも資金繰りが悪化しにくくなるでしょう。例えば、家賃の低い物件へ移転したり、電気・ガスなどの契約を見直したりすることは固定費の削減につながりやすいです。また仕入れ費用に関しても、原価の交渉や取引先の変更などで抑えられる可能性があります。
ただし、人件費の削減については慎重な判断が必要です。業務の効率化による残業代の削減などは有効ですが、過度なコストカットは従業員のモチベーション低下や離職につながる恐れがあります。必要な支出と削減可能な支出を見極めることが重要です。
なお資金繰りが急を要する場合は、最短即日で売掛金を現金化できるファクタリングの利用を検討するのもよいでしょう。資金調達までの期間について知りたい方は、株式会社No.1のスピード査定へお問い合わせください。
運転資金が足りないときの資金調達方法

どうしても運転資金が足りないときは、資金調達の方法を検討する必要があります。ここからは、運転資金が足りないときに活用できる代表的な資金調達方法を見ていきましょう。
公的融資
公的融資は、国や地方自治体、政府系金融機関などが提供している融資制度です。
これらの制度の中には、運転資金や設備投資を目的とした事業者向けの融資も多く用意されています。例えば、政府が100%出資している日本政策金融公庫では、運転資金に対応した貸付制度が整備されています。
公的融資は、民間の金融機関と比べて金利が低く設定されているケースが多く、資金調達コストを抑えやすいのが特長です。創業間もない企業や実績が少ない事業者でも、条件によっては融資を受けられる可能性があります。
ただし申請に必要な書類が多く、審査から入金まで一定の時間を要する傾向にあります。緊急の資金調達には向いていませんが、資金繰りを計画的に管理しながら、必要なタイミングで活用を検討するとよいでしょう。
銀行融資
銀行融資とは、金融機関である銀行から資金を借り入れる一般的な資金調達方法です。
後述するビジネスローンと比較すると、金利が低めに設定されることが多く、返済負担を抑えやすい点が特長です。また、企業の信用力や実績によっては高額な融資を受けられるため、大口の資金調達にも適しています。
ただし審査は厳しく、過去の信用情報や財務状況、事業の安定性などが重視されます。審査から融資実行までに時間がかかるケースが多いため、急ぎの資金調達には向いていません。状況によっては、担保や保証人の提供を求められることもあります。
事業が安定した段階で、事業拡大や新規事業の参入を行う際には、有効な資金調達方法といえるでしょう。
ファクタリング
ファクタリングとは、利用者が保有する売掛債権をファクタリング会社に買取ってもらい、早期に現金化する方法です。
ファクタリングの利用にも審査がありますが、審査の際に重視されるのは売掛先の信用力です。そのため融資の審査に落ちた場合でも、売掛先の状況によっては利用できる可能性があります。またファクタリングは融資ではなく売掛債権の買取のため、借入金として扱われない点も特長です。
ファクタリングは大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。
2社間ファクタリングとは利用者とファクタリング会社が契約を結ぶ方式で、売掛先に知られずに売掛債権の現金化が可能です。現金化までのスピードが速く、最短即日で現金化できるケースもあります。
一方3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加え、売掛先も含めた3社で契約を結ぶ方式です。利用には売掛先の承諾が必要で、2社間ほどのスピード感はありませんが、手数料が抑えられる傾向にあります。
一般的な手数料は、2社間ファクタリングが8〜20%、3社間ファクタリングが1〜9%です。近年はオンラインで完結するファクタリングサービスも増えており、2社間ファクタリングであっても手数料が抑えやすいのがメリットです。
ただし、ファクタリングは売掛債権がなければ利用できません。また、調達できる資金は売掛債権の範囲内に限られます。
株式会社No.1のファクタリングサービスは、買取手数料1%〜15%で利用できます。最短即日での買取に対応しており、オンライン契約も可能です。ファクタリングをご検討中の方は、株式会社No.1のスピード査定をお試しください。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、銀行や消費者金融が提供している事業者向けのローンです。
公的融資や銀行融資と比べて審査スピードが早く、最短即日で資金調達できるものもあります。多くの場合、担保や保証人なしで利用できるため、手続きのハードルが比較的低い資金調達手段といえるでしょう。
ただしビジネスローンは融資に該当するため、利用状況によっては今後の銀行融資の審査に影響を与える可能性があります。また、公的融資や銀行融資より金利が高く設定されているケースが多いため、計画的な利用が重要です。さらに限度額が低い事業者や商品もあるため、必要額を踏まえて慎重に検討しましょう。
まとめ:運転資金が足りない要因を把握し、状況に応じた対策を講じよう
運転資金が不足する要因には、資金の出入りを把握できていないことや入金と支払いのタイミングのずれ、売り上げ拡大による支出増加など、さまざまなものがあります。運転資金が不足するのを防ぐには、資金繰り表を作成し、資金がどのように流れているのかを把握することが大切です。また自社が運転資金不足に陥る原因を分析し、状況に応じた対策を講じましょう。
運転資金が不足すると、仕入れ代金や人件費、家賃などの支払いに影響が出る可能性があります。早急に資金を確保したいなら、売掛債権をすぐに現金化できるファクタリングの利用がおすすめです。
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