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カテゴリー: ファクタリング

銀行系ファクタリングとは?特徴、メリット・デメリット、使い分けを徹底解説!

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ファクタリングには、銀行系の大手ファクタリング業者が提供するものと、中小ファクタリング業者が提供するものがあります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、正しく使い分けることが大切です。
本稿では、銀行系ファクタリングの特徴、メリット・デメリット、使い分け方などを解説します。

ファクタリングとは

 
ファクタリングは、最近急速に普及している新しい資金調達方法です。
これまで、会社の資金調達といえば銀行の融資が一般的でした。
資金調達方法は銀行融資のほかにもいろいろあるのですが、日本の中小企業は銀行融資に依存する傾向があります。
資金調達方法が「銀行融資だけ」の場合、銀行から融資を断られると資金繰りに行き詰まる可能性が高いです。
政府は、中小企業の資金繰りの安定性を高めるためにも、資金調達方法の多様化の手段としてファクタリングを推奨しています。

債権譲渡で資金調達

 
簡単にいえば、ファクタリングは売掛債権(売掛金)の売却です。
日本の企業のほとんどは、多かれ少なかれ信用取引を行っており、手元に売掛債権(売掛金)を保有しています。
売掛金は支払期日にならなければ回収できず、資金繰りの負担になるのが難点です。
ファクタリングは、支払期日前の売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却し、早期資金化することで資金を調達します。
もっとも、ファクタリングにおける「売掛債権(売掛金)の売却」とは、厳密には「売掛債権(売掛金)の譲渡(債権譲渡)」であり、法的には債権譲渡契約です。
金融庁は、ファクタリングを以下のように定義しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
借入れは、銀行や貸金業者などの外部機関から資金を調達する「外部資金調達」です。
外部資金調達は、外部機関の判断によって資金調達の成否が決まるため、自社の状況によって調達できないことも多々あります。
だからこそ、銀行の融資に依存しすぎるのは危険なのです。
これに対し、ファクタリングは内部資産である債権の譲渡(売掛金の売却)によって資金調達する「内部資金調達」に含まれます。
外部機関の判断に左右されず、売掛債権(売掛金)の価値によって資金調達できます。
したがって、銀行から融資を受けられない会社でも、ファクタリングならば調達可能です。

銀行など大手も続々参入

 
資金調達方法の多様化のために政府が推奨していること、また実際の資金繰りに非常に役立つことから、ファクタリングが急速に普及しています。
世界的にみると、ファクタリングの発祥は14世紀のイギリスであり、長い歴史を持つ金融サービスです。
欧米ではごく一般的な資金調達方法とされており、銀行も古くからファクタリングに携わっています。
一方、日本でファクタリングの普及が始まったのはごく最近のことです。
日本でファクタリングが導入されたのは1970年代。
このころ、銀行系のファクタリング会社が相次いで設立されましたが、欧米との商習慣・金融システムの違いにより、思うように浸透しませんでした。
もとより、日本の銀行の基幹業務は融資であり、その他のサービスにはあまり積極的ではありません。
No.1をはじめ、今では「老舗」とされる民間のファクタリング会社が営業を始めてからも、銀行はファクタリングに消極的でした。
現在でも、銀行のファクタリングは従来の銀行業務の延長のような位置づけです。
日本のファクタリング市場は、民間のファクタリング会社がけん引する形で拡大し、最近になって銀行や大手金融サービス業者の参入が相次いでいます。
後述の通り、ファクタリングを取り扱う銀行の数は少なく、単なる売掛債権(売掛金)の保証(売掛金の支払保証し、貸倒れリスクに備えるもの)や売掛金の回収代行などに止まる銀行が多いです。
とはいえ、今後もファクタリング市場は拡大を続け、銀行の参入も増えていくことでしょう。
銀行のファクタリング環境も徐々に整備され、利用しやすくなるはずです。

ファクタリングの方式と銀行の関係

 
ファクタリングの方式には、大きく分けて「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」があります。
最近では、2社間ファクタリングの取引をオンラインで完結する「オンラインファクタリング」も普及してきました。
方式別に簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 2社間ファクタリング:ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引する方式。主として独立系のファクタリング会社が取り扱っており、銀行では取り扱っていない
  • オンラインファクタリング:2社間ファクタリングの取引を全てオンラインで行う方式。2社間ファクタリングと同様、銀行では取り扱っていない
  • 3社間ファクタリング:利用会社、ファクタリング会社、売掛先の3社間で取引する方式。独立系・銀行系のどちらでも利用可能。

銀行との関係を含め、方式別の特徴・傾向をみていきましょう。

2社間ファクタリング

 
2社間ファクタリングは、利用会社とファクタリング会社の2社間だけで取引します。
つまり、売掛先が一切関与しないのが最大の特徴です。
すべての手続きに売掛先が関与しないため、簡単な手続きで、スピーディに資金調達できます。
2社間ファクタリングのほとんどは、即日対応が基本です。
2社間ファクタリングを提供しているのは、独立系の(銀行や信販会社の系列に属さない)ファクタリング会社が大半です。
現時点では、2社間ファクタリングを取り扱う銀行はありません。
これは、2社間ファクタリングが銀行の性質に適さないためです。
銀行は、金融の担い手としての公的使命を負っており、貸し倒れをはじめとする様々なリスクに敏感であり、取引の不透明性を嫌います。
売掛先が関与しない2社間ファクタリングは、取引の実在や売掛金の内容(請求金額や支払期日など)を売掛先に確認できず、取引の不透明性が高いです。
このため、銀行は2社間ファクタリングを取り扱っていません。
したがって、手軽に、スピーディに資金調達したい場合、銀行ではなく一般的な(独立系・中小の)ファクタリング会社を利用することとなります。
ちなみに、ファクタリングを活用している会社の大多数は、2社間ファクタリングを選んでいます。

オンラインファクタリング

 
オンラインファクタリングは、2社間ファクタリングをオンライン化したものです。
したがって、基本的な特徴は2社間ファクタリングと変わりません。
もっとも、手続きをオンラインで完結できるため、従来の2社間ファクタリングよりもさらに便利に、スピーディに調達できます。
最近、オンラインファクタリングを取り扱う業者が増えており、オンライン専業のファクタリング会社も増えてきました。
しかし、ファクタリング業界全体でみるとまだまだ普及率は低く、銀行もオンラインファクタリングは取り扱っていません。
今後も、この状況がしばらく続くと考えられます。
なぜならば、銀行は「でんさい」に力を入れているためです。
でんさいは、全国銀行協会が設立した「でんさいネット」が取り扱う電子記録債権です。
「でんさい割引」「でんさいファクタリング」などの早期資金化サービスは、オンラインで完結します。
銀行は、でんさいというオンラインの仕組みをすでに確立しているため、強いてオンラインファクタリングを導入するとは考えにくいです。
オンラインファクタリングを希望する場合、銀行のファクタリングは利用できないと考えてください。

3社間ファクタリング

 
3社間ファクタリングは、利用会社・ファクタリング会社・売掛先の3社間で取引します。
つまり、売掛先の関与が必須です。
例えば、利用会社からファクタリング会社に売掛金を譲渡したのち、売掛先に対する債権譲渡通知・承諾が必要となります。
このため、手続きが煩雑であり、資金調達に時間がかかるのが特徴です。
また、売掛先が債権譲渡を認めない場合、3社間取引が成り立たないため資金調達もできません。
ただし、2社間ファクタリングよりも手数料が安いのが大きなメリットです。
3社間ファクタリングは、売掛先が関与することによって、ファクタリング会社のリスクが軽減されます。
例えば、ファクタリング会社から売掛先に売掛債権(売掛金)の内容を直接確認できるため、虚偽申告や架空債権のリスクを回避できます。
また、支払期日には売掛先から直接回収でき、回収トラブルも起こりにくいです。
リスクとリターンは連動するため、リスクが低い分だけ、3社間ファクタリングはリターン(手数料)も小さくなります。
もちろん、売掛先が関与することによって取引の透明性が高まり、銀行でも無理なく取り扱うことができます。
No.1のように、独立系のファクタリング会社では、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの両方を取り扱うケースも多いです。
一方、銀行で利用できるのは、リスクが低く透明性が高い3社間ファクタリングだけです。

銀行系ファクタリングとは

ここまでも、必要に応じて「銀行のファクタリング」「その他の(独立系の)ファクタリング」を分けて解説しました。
銀行のファクタリングについて、大まかなイメージはつかめたことと思います。
ここからは、銀行系ファクタリングの具体的な解説に進んでいきましょう。

銀行系ファクタリングは少数派

一口にファクタリングといっても、ファクターと呼ばれる事業者は様々です。
ファクタリング事業者を大別すると、銀行系ファクタリング業者と、一般的な中小ファクタリング業者に分けることができます。
銀行系ファクタリングとは、その名の通り銀行や銀行系列の会社が提供しているファクタリングサービスです。
業者数でみると、銀行系ファクタリング業者は少数派です。大多数は中小ファクタリング業者であり、ファクタリングの普及を牽引しているのも中小事業者といえます。したがって、単に「ファクタリング」といえば中小ファクタリング業者、「ファクタリングサービス」といえば中小ファクタリング業者によるファクタリングサービスを意味するのが一般的です。

代表的な銀行系ファクタリング

銀行系ファクタリングの最大の特徴は、銀行系列であることです。代表的な銀行系ファクタリングには、

  • 三菱UFJフィナンシャルグループの「三菱UFJファクター」
  • みずほフィナンシャルグループの「みずほファクタリング」
  • 三井住友フィナンシャルグループの「SMBCファイナンスサービス」

などがあります。このほか地方銀行では、銀行の系列会社ではなく銀行自体がファクタリングサービスを提供しているケースもみられます。
一方、中小ファクタリング業者の運営元は銀行と無関係です。
銀行系列であるかどうかによって、ファクタリングサービスの基本的な方式やメリット・デメリットが大きく変わってきます。

銀行系ファクタリングで資金調達する流れ

 
銀行でファクタリングする際の流れは、一般的な3社間ファクタリングと同じと考えてください。
銀行系ファクタリングの流れは以下の通りです。

  • 1.利用会社が売掛先に商品を納入し、売掛債権(売掛金)が発生する。
  • 2.利用会社から銀行に3社間ファクタリングを申し込む。銀行の求めに応じて必要書類を提出する。
  • 3.銀行が売掛金の審査を実施し、ファクタリングの可否と条件を決定する。
  • 4.条件に問題がなければ、利用会社と銀行の間でファクタリング契約を結ぶ。これにより債権譲渡が確定し、債権が銀行に移る。
  • 5.利用会社または銀行から売掛先に債権譲渡通知を行い、承諾を受ける。これにより3社間取引が成立する。
  • 6.銀行は利用会社に対し、売掛債権(売掛金)の買取代金を支払う。
  • 7.後日(支払期日)、売掛先は銀行に対して売買代金を支払う。

銀行のファクタリング・売掛債権担保融資・手形割引の違いは?

 
銀行のファクタリングを知る上でややこしいのが、売掛債権担保融資や手形割引など、類似の資金調達方法です。
ファクタリングと同様に、売掛債権担保融資や手形割引も銀行が取り扱うサービスであり、なおかつ売掛債権を活用した資金調達方法のため混乱しやすいのです。
銀行のファクタリングを理解するためにも、これら3種の資金調達方法の違いを明らかにしていきます。

銀行のファクタリングは売掛金の譲渡

 
上記の通り、銀行のファクタリングは銀行が取り扱っているファクタリングのことです。
独立系ファクタリングなど、一般的なファクタリングとの違いは「提供元が銀行である」というだけで、その他は基本的に変わりません。
例えば、売掛債権(売掛金)の譲渡取引であること、内部資金調達であること、資金調達方法の多様化に役立つことなどは、銀行のファクタリングでも同じです。
「銀行で資金調達=借入れ」というイメージを持つ人もいますが、ファクタリングはあくまでも「債権譲渡」です。
銀行でファクタリングする際の契約も「債権譲渡契約」であり、「金銭消費貸借契約」ではありません。 

売掛債権担保融資は借入れ

 
売掛債権担保融資は、売掛債権を担保活用することで融資を受けます。
一部の銀行のほか、信販会社や消費者金融業者でも取り扱っています。
売掛債権担保融資も、ファクタリングと同時期に普及してきた資金調達方法です。
なぜ同時期かといえば、政府が中小企業の銀行融資依存の緩和のために、売掛債権担保融資とファクタリングを推奨したからです。
売掛債権担保融資もファクタリングも、「売掛債権の活用」という点では共通しています。
両者の決定的な違いは、「借入れか、債権譲渡か」「外部資金調達か、内部資金調達か」ということです。
銀行の担保付融資は不動産が一般的ですが、預金や売掛債権、在庫など、担保活用できる資産は色々あります。
このうち、売掛債権・動産を担保とする融資を「ABL」といい、売掛債権担保融資もABLの一種です。
つまり、売掛債権担保融資は借入れであって、債権譲渡ではありません。
借入れである以上、売掛債権担保融資は返済義務を伴います。
銀行のファクタリングは債権譲渡のため、返済義務がありません。

手形割引は手形の譲渡

 
売掛債権担保融資は、売掛債権を広く担保とするため、売掛金だけではなく受取手形も担保にできます。
となると、混乱しやすいのが受取手形の活用による資金調達、すなわち「手形割引」との違いです。
手形割引は、支払期日前の受取手形を割り引く(売却する)ことで資金を調達します。
依頼先は銀行や手形割引専門業者です。
「銀行のファクタリング」と「銀行の手形割引」は、どちらも売掛債権の早期資金化です。
また、売掛金や手形などの売掛債権を銀行に譲渡することも変わりません。
両者の違いは、ズバリ「売却・譲渡するのが売掛金か、手形か」という点です。
売掛金は信用取引によって発生し、手形は手形取引によって発生します。
したがって、信用取引を行っている会社(売掛金を所有している会社)は銀行のファクタリングを、手形取引を行っている会社(受取手形を所有している会社)は銀行の手形割引を利用しなければなりません。
なお、経産省は2026年までに約束手形の廃止を目指しており、手形の交換高も年々減少しています。
今後も、銀行の手形割引の重要性は低下していくことでしょう。
これに伴い、手形割引で資金調達していた層がファクタリングに流れ、銀行のファクタリングの需要が高まるかもしれません。

銀行系ファクタリングのメリット

銀行系列であることにより、銀行系ファクタリングには以下の6つのメリットがあります。

1.信用が高い

最大のメリットは信用の高さです。
銀行業は、あらゆる業種の中でも最もコンプライアンスに厳しい業種です。銀行のビジネスは、信用を重んじなければ成り立ちません。
銀行は、信用のある個人や会社に融資することで利益を得ています。個人や会社から低金利で調達した預金によって貸し付けており、多くの預金を集めることが欠かせません。
不祥事によって信用を失えば、個人も会社もその銀行にはお金を預けたくないと考えるため、融資業務に支障を来します。銀行にとって、信用問題は死活問題に直結するのです。
コンプライアンス意識の高い銀行の系列だからこそ、銀行系ファクタリングは高い信用を誇ります。ファクタリング業界でしばしば問題視される悪質業者のリスクも、ほぼゼロといって良いでしょう。

2.手数料が安い

次に、銀行系ファクタリングはファクタリング手数料の安さにも優れています。
ファクタリングの際には、ファクタリング手数料などのコストがかかります。手数料は、2社間ファクタリングならば10~20%、3社間ファクタリングならば1~5%程度が相場です。
銀行系ファクタリングで利用できるのは、3社間ファクタリングだけです。中小事業者の一般的なファクタリングでは、2社間ファクタリングの利用が主流であるため、銀行系ファクタリングの方が手数料は安いといえます。
また、銀行は金融のプロですから、審査力や専門性にも強みがあります。融資その他の取引を通して蓄積した会社データを豊富に有しており、ファクタリングする売掛金の審査も正確です。これにより、低リスクでのファクタリング業務が可能です。
リスクを正確にはじき出し、ファクタリング手数料の設定にも無駄がありません。これにより、無駄のない手数料を設定できるため、手数料を抑えやすいです。

3.ファクタリングの種類が豊富

最も一般的なファクタリングは売掛金の買い取りであり、これを買取ファクタリングといいます。中小ファクタリング業者では、買取ファクタリングだけを提供する業者がほとんどです。
No.1では買取ファクタリングだけではなく、診療報酬ファクタリングや介護報酬ファクタリングを提供しています。しかし、そのような業者は少数派です。ファクタリングの種類の豊富さでは、金融のプロである銀行系ファクタリングが突出しています。銀行系ファクタリングでは、

  • 保証ファクタリング
  • 一括ファクタリング
  • 国際ファクタリング
  • 診療報酬ファクタリング
  • 介護報酬ファクタリング

など、中小ファクタリング業者では手が出せないファクタリングサービスも提供しているのです。
このうち、国際ファクタリングを利用できるのは銀行のファクタリングだけです。
国際ファクタリングは、国内の輸出企業と海外の輸入企業の間で発生した売掛金が対象となります。
一般的なファクタリングは「①利用会社(国内)②ファクタリング会社(国内)」の2社間、または「①利用会社(国内)②ファクタリング会社(国内)③売掛先(国内)」3社間で行うのに対し、国際ファクタリングは「①利用会社(国内の輸出企業)②ファクタリング会社(国内の銀行系ファクタリング)③売掛先(海外の輸入企業)④ファクタリング会社(海外の銀行系ファクタリング)」の4社間で行います。
海外の売掛先や銀行系ファクタリング会社を巻き込んで取引するため、国内取引に特化した民間の中小ファクタリング会社では対応できません。
4社間ファクタリングに対応できるのは、国際的に展開しており、海外の銀行ともつながりのあるメガバンクに限られます。
海外企業の売掛金をファクタリングしたい場合、必然的に銀行のファクタリングを利用することになります。

4.銀行融資よりも審査に通りやすい

 
銀行のファクタリング審査は、銀行の融資審査よりも通りやすいです。
これは、銀行系ファクタリングの大きなメリットといえるでしょう。

銀行の融資とファクタリングの審査基準

 
これは、ファクタリングと融資の審査基準が異なるためです。
銀行の融資審査では、利用会社(融資先)の信用や経営状況(返済能力)を重視します。
貸倒れリスクを避けるためにも、利用会社の業績・財務、業歴などに問題があれば融資を受けることはできません。
一方、銀行のファクタリング審査は利用会社ではなく売掛債権(売掛金)・売掛先を重視します。
銀行系ファクタリングの流れにもある通り、銀行は利用会社から売掛債権(売掛金)を割安に(額面金額から手数料を差し引いて)買い取り、支払期日に売掛先から代金を回収します。
売掛先から支払期日に満額回収してこそ、銀行は差額分(手数料分)を儲けることができるのです。
もし、売掛先の経営悪化などによって売掛金を回収できなければ、銀行は買取代金分の損失を被ります。
つまり、銀行にとって重要なのは「利用会社の経営状況」ではなく「売掛先の経営状況」です。
利用会社に何らかの問題があっても、売掛先の経営状況に問題がなく、売掛金の回収不能リスクが低ければ、銀行のファクタリング審査には通ります。

融資よりも審査に通りやすい理由

 
後述の通り、銀行のファクタリングは一般的なファクタリングよりも審査が厳しいです。
しかしながら、銀行融資よりも審査に通りやすいことは間違いありません。
銀行融資で審査するのは「借入期間中の返済能力」です。
長期融資の場合、銀行は今後数年間の返済能力を分析する必要があり、審査の難易度が高まります。
また、借入期間が長いほど、その期間中に融資先の経営が悪化するリスクが高まるため、簡単には融資できません。
これに対し、銀行のファクタリングで審査するのは「支払期日時点での(売掛先の)支払能力」です。
売掛金の平均的な回収サイトは1ヶ月強ですから、銀行は1ヶ月後の売掛先の支払能力を測ります。
つまり、ファクタリングは銀行にとって審査難易度・回収不能リスクが低く、審査に通りやすいのです。
これが、銀行融資よりも銀行のファクタリングのほうが審査に通りやすい理由です。

無担保・無保証で利用できる

 
さらに、銀行のファクタリングは無担保・無保証で利用できます。
銀行から融資を受ける場合、不動産などの担保や信用保証協会の保証が重要です。
売掛債権担保融資という仕組みが普及してきたのも、銀行が担保を重視することの現れといえます。
帝国データバンクの資料 によれば、無担保・無保証で銀行融資を受けられる会社は全体の9.8%に過ぎません。
25.0%は信用保証協会の保証付融資、65.3%は不動産などの担保付融資で調達しているのです。
無担保・無保証で銀行融資を受けられるのは、ごく一部の優良企業に限られます。
一般的な会社や、経営に問題を抱えている会社で担保・保証が不足する場合、銀行融資で調達できない可能性が高いです。
銀行のファクタリングならば、無担保・無保証で利用できます。
というのも、ファクタリングは借入れではないからです。
銀行融資には返済義務が伴うため、返済不能時の備えとして担保・保証が重視されます。
しかし、ファクタリングは債権譲渡であり、返済義務がありません。
返済義務がなければ、返済不能に備えるための担保・保証も不要というわけです。
したがって、銀行のファクタリングは担保・保証が不足している会社でも利用できます。
これも、銀行融資より審査に通りやすい理由です。

5.多額の資金調達にも対応

 
銀行のファクタリングは、多額の資金調達にも対応しています。
銀行のファクタリングと一般的なファクタリングを比較した場合、圧倒的に差が出るのは対応金額です。
これは、資金量と審査能力の違いによるものです。

銀行は資金量が豊富

 
銀行は資金量が豊富であり、数億円単位の融資にも対応しています。
全国の銀行の資金量の合計残高は、2022年3月末時点で1283兆9026億円 です。
銀行は、この資金を会社や個人に貸し付けたり、ファクタリングの買取資金に充てたりすることで、利息や手数料などの収益を得ています。
資金量が豊富なため、銀行系ファクタリングは高額債権の買い取りにも対応しており、買取金額を「上限なし」とするのが一般的です。
これに対し、独立系のファクタリング会社の資金量は限られています。
特に、開業したばかりのファクタリング会社や、個人事業主向けのファクタリング会社は資金量が少なく、買取金額の上限を数百万円程度に設定しているケースも多いです。
それなりに規模が大きいファクタリング会社でも、大抵は数千万円を上限としています。
それ以上の調達を希望する場合、ファクタリングを拒否されるか、「要相談」といった対処になります。

銀行は審査能力が高い

 
高額債権をファクタリングする際、審査能力でも大きな差が出ます。
独立系ファクタリング会社が「数千万円まで対応」と設定する場合、これは「数千万円でも簡単に調達できる」ということではありません。
対応金額の上限は、ファクタリング会社の資金量によって決まります。
上限以下であっても、上限に近いほどファクタリング会社が「ギリギリ対応できるかどうか」の水準に近づきます。
ギリギリの水準で買い取った売掛金が回収不能になれば、ファクタリング会社の経営が一気に傾くかもしれません。
だからこそ、慎重に審査する必要があるわけですが、一般的なファクタリング会社の審査能力は銀行よりも劣ります。
このため、審査に時間がかかってスピーディに調達できなかったり、審査に落ちたりすることが増えます。
多額の資金の取り扱いに関しては、銀行はお手の物です。
銀行は、普段から数千万円、数億円の資金を貸し付けており、審査能力は極めて高いです。
さらに、ファクタリングは融資よりも審査が簡単ですから、銀行はスムーズに対応できます。
以上の理由から、多額の資金調達を希望するならば、独立系よりも銀行系のファクタリング会社のほうが向いています。

6.新規借入先の開拓につながる

 
銀行系ファクタリングの意外なメリットは、新規借入先の開拓につながることです。

複数の銀行と取引すべき理由

 
融資を受けられる銀行は、多いに越したことはありません。
取引する銀行の数は、借入金の総額が3000万円以下の会社は2行以上、3000~1億円の会社は3行以上、1億円以上の会社は4行以上が目安となります。
最も危険なのは、単一取引(借入先の銀行が1行のみ)です。
単一取引の場合、その銀行から融資を拒否されると、資金繰りがたちまち行き詰まります。
融資条件が多少悪くても借り入れる必要があるため、銀行から足元を見られ、融資条件が悪くなりやすいです。
複数の銀行と取引していれば、ある銀行で審査に落ちても、別の銀行で審査に通る可能性があります。
また、銀行同士で競争意識が生まれ、融資条件が良くなることも多いです。

銀行と関係を持つには?

 
とはいえ、新しい銀行から融資を受けるのは困難です。
これまで何の取引もなかった銀行に飛び込みで融資を申し込んでも、良い反応は期待できません。
そのような会社に対して、銀行は「すでにいくつもの銀行から融資を断られたのでは?」というネガティブな印象を抱き、警戒するためです。
取引する銀行を増やすには、それなりの手順があります。
少なくとも、飛び込みで融資を申し込むのではなく、事前に融資以外の何らかの取引を持つべきです。
手っ取り早いのは、近所の銀行の支店に預金口座を開設することです。
これならば、「近所の銀行に口座があったほうが便利だから」という合理的な理由があり、銀行が警戒することもありません。
預金口座があるだけでも、銀行にとって「未知の会社」ではなく「既知の会社」となります。
実際に、銀行員が新規融資先を開拓する場合、既知の会社に営業をかけるのが一般的で、未知の会社が営業先になることはほとんどありません。

銀行のファクタリングをきっかけに

 
とはいえ、預金口座を開設しただけでは、銀行から融資を引き出すのは困難です。
預金口座の開設は、銀行にとって直接的な収益につながらない(預金を貸付金などに回すことで、間接的に収益が得られる)ため、インパクトが乏しいのです。
その点、ファクタリングは直接的な収益(手数料)につながるため、それなりにインパクトがあります。
何度か銀行のファクタリングを利用したのち、「一部をファクタリングで、残りを融資で」といった形で依頼すれば、融資を引き出しやすくなります。
特に、大企業の売掛金や官公庁の売掛金など、優良債権をファクタリングした場合のインパクトは大きいです。
ファクタリングする売掛金の情報から、「大企業と多額の取引を行っている」「公共事業を受注している」といったことが分かれば、銀行へのアピールになります。
このような情報は、銀行が収益力(=返済力)を評価しやすく、積極的に融資したい理由として稟議書に盛り込みやすい情報です。
評価が高まれば、銀行から融資の提案を受ける機会も増えます。
その場合、銀行のほうから「借りてください」と言ってくるのですから、審査に落ちることは基本的にありません。

ただし、現時点でファクタリングを提供しているのは、メガバンクなどの大きな銀行だけです。
中小規模の会社(年商1億円以下)は、たとえファクタリングをきっかけとしても、大手銀行から借り入れることは難しいでしょう。
それなりに大きな会社(少なくとも年商1億円以上、目安は年商10億円以上)が、大手銀行との取引を開拓したい場合には、その銀行のファクタリングがきっかけになるかもしれません。

銀行系ファクタリングデメリット

銀行系ファクタリングには、以下のようなデメリットもあります。

1.審査が厳しい

一般的なファクタリングよりも、銀行系ファクタリングははるかに審査が厳しいです。
銀行の基幹業務は融資であり、審査力が非常に高いです。また、リスクマネジメントにも優れ、リスクを嫌います。
ファクタリングでは、売掛金の貸し倒れリスクを把握するために、売掛先を審査する必要があります。このとき、一般的なファクタリングでは問題なく買い取れる売掛金でも、銀行の審査では問題ありと判断され、買い取りを拒否されることが少なくありません。
これは、銀行融資とビジネスローンの違いのようなものです。

2.売掛先に知られる

売掛先にファクタリングの利用を知られ、信用が悪化するリスクもあります。
銀行系ファクタリングは自社・売掛先・ファクターの三社間で取引します。売掛金は債権の一種ですから、ファクタリングによって譲渡する際には売掛先に債権譲渡を通知し、承諾を得るのが普通です。
ファクタリングは資金調達に役立つ方法ですが、まだまだ一般的とはいえません。銀行融資が利用できない会社が、やむを得ずファクタリングで調達するケースも多いです。このため、ファクタリングの利用を知られると、売掛先が自社の経営悪化を疑い、信用を損なうリスクがあります。
ファクタリングで調達した資金は、資金繰りをするうちに消えてしまいます。しかし、ファクタリングによって失われた信用を取り戻すには、長い時間と努力が必要です。ファクタリングのために信用が悪化することは避けなければなりません。

3.調達に時間がかかる

銀行系ファクタリングは、資金調達スピードにも問題があります。
銀行融資でも、融資実行までに時間がかかることをご存じでしょう。早くて数週間、長ければ1ヶ月以上を要します。
銀行系ファクタリングも、審査に時間をかけます。また、3社間ファクタリングではファクターと売掛先のやり取りも多いです。
中小ファクタリング会社では、すべての手続きをオンラインで完結できる仕組みも普及しつつありますが、銀行のファクタリングは申し込みの際に窓口を訪問したり、契約の際に対面で取引したりするのが一般的です。
これも、調達に時間がかかる一因となっています。
銀行融資に比べてスピーディとはいえ、銀行系ファクタリングの審査にもそれなりに時間がかかります。即日対応の中小ファクタリング業者に比べると、かなり遅いといえるでしょう。
緊急的な資金需要にも対応できず、利便性に欠けます。

4.少額の資金調達には不向き

 
銀行系ファクタリングのメリットでは、多額の資金調達ができることを挙げました。
逆に、銀行は少額のファクタリングには不向きです。
主な理由は、銀行の採算にあります。
銀行のファクタリングは、一般的なファクタリングよりも手数料が安いため、採算は低めです。
1000万円の売掛債権(売掛金)を売却する場合、一般的な2社間ファクタリングで手数料率15%ならば150万円の手数料を得られますが、銀行の3社間ファクタリングで手数料率5%ならば50万円しか得られません。
採算に3倍もの差が生じるわけですが、手数料率を2社間ファクタリングの水準に引き上げることは不可能です。
銀行が採算を確保するには、買取金額を増やす必要があります。
例えば、3000万円を手数料率5%で買い取れば、1000万円・15%と同じく150万円の手数料を得られます。
つまり、銀行のファクタリングで採算を確保するには、ある程度まとまった金額を買い取る必要があるのです。
銀行系ファクタリングを提供しているのは大手銀行ですから、採算をシビアに考えます。
大手銀行は資金量が多く、効率的に運用しなければならないため、「少額のファクタリングには構っていられない」というのが本音です。
実際に、数十万円~数百万円単位の資金調達であれば、銀行からファクタリングを断られる可能性があります。
したがって、中小企業や個人事業主の資金調達には、銀行系ファクタリングは適していません。

5.「償還請求権あり」の可能性も

 
基本的に、ファクタリングは「償還請求権なし」となります。
償還請求権とは、ファクタリングした売掛金が回収できなくなった場合、利用会社に買い戻しを求める権利のことです。
償還請求権がなければ、銀行は利用会社に買い戻しを求めることができず、回収不能時の損失はすべて銀行が負担しなければなりません。
利用会社にとっては貸倒れリスクの軽減につながるため、「償還請求権なし」はファクタリングの大きなメリットといえます。
ただし、あくまでも「償還請求権なしが基本」というだけで、「償還請求権ありが違法」というわけではありません。
ファクタリングの仕組み上、償還請求権ありのファクタリングが難しいというだけです。
償還請求権があれば買い戻しを請求できるため、ファクタリング会社は回収不能リスクをほとんど負わない形になります。
これにより、「ファクタリング業ではなく実質的に貸金業」とみなすこともできます。
貸金業とみなされた場合、貸金業登録や法定利息を守らなければなりません。
しかし、ほとんどのファクタリング業者は貸金業登録を受けておらず、手数料を年利換算すると法定利息を超えるケースがほとんどです。
つまり、無登録営業や出資法違反を避けるためにも、「償還請求権なし」が基本なのです。
逆にいえば、貸付けに伴う法律に違反しなければ、「償還請求権あり」でのファクタリングも成り立ちます。
銀行は、貸金業者ではないため貸金業登録は受けていませんが、銀行法によって貸付業務を認められています。
また、手数料率が1.25~1.67%以下であれば、年利換算でも出資法に抵触しません。
この場合に限り、銀行のファクタリングは「償還請求権あり」の条件もあり得るのです。

6.銀行の融資審査で悪影響になることがある

 
新規取引銀行を増やす際、銀行のファクタリングがきっかけになります。
特に、優良債権をファクタリングすることで、銀行の評価が高まることもあります。
しかし、ファクタリングが必ずプラスになるとは限りません。
場合によっては、銀行の融資審査で悪影響になる可能性があります。
銀行が提供している以上、ファクタリングの利用に伴うデータはすべて銀行に記録されます。
銀行の子会社やグループ企業が提供するファクタリングも同様です。
例えば、以下のような場合には銀行融資にマイナスとなります。

  • 経営内容が悪い売掛先の売掛金をファクタリングした(自社の取引先に問題があることを銀行に知られるため)
  • 売掛先が倒産し、ファクタリングした売掛金が回収不能になった(自社の取引先が倒産し、今後の売上が減少することを銀行に知られるため)

このように考えると、優良債権を持っている会社でなければ、銀行系ファクタリングの利用は難しいでしょう。

正しい使い分けを

銀行系ファクタリングには、上記のようなメリット・デメリットがあります。一般的なファクタリングにもメリット・デメリットがあります。
そこで、ファクタリングを十分に活用するには、銀行系ファクタリングと一般的なファクタリングを正しく使い分けることが大切です。

銀行系ファクタリングがおすすめの会社

銀行系ファクタリングは、

  • 1.買取ファクタリング以外のファクタリングを活用したい会社
  • 2.優良企業の売掛金をファクタリングしたい会社
  • 3.売掛先に知られても問題ない会社
  • 4.時間に余裕をもって資金調達できる会社
  • 5.多額の資金調達が必要な会社
  • 6.安全性を優先したい会社

などにおすすめです。
なぜこのような会社に銀行系ファクタリングがおすすめなのか、理由を簡単にみていきましょう。

1. 買取ファクタリング以外のファクタリングを活用したい会社

 
銀行のファクタリングは、一般的な売掛債権(売掛金)の買い取り以外にも幅広く対応しています。
特に、国際ファクタリングは銀行系ファクタリングだけが取り扱っており、保証ファクタリングも銀行の得意分野です。
このような特殊なファクタリングは、一般的な買取ファクタリングでは対応できないため、銀行系ファクタリング一択となります。

2. 優良企業の売掛債権(売掛金)をファクタリングしたい会社

 
銀行系ファクタリングのデメリットは、一般的なファクタリングに比べて審査が厳しいことです。
売掛先に問題がある場合、銀行は回収不能リスクを警戒し、審査に通らないことがよくあります。
ただし、売掛先が優良企業であれば、銀行系ファクタリングの審査にも問題なく通るでしょう。
銀行系ファクタリングは安全性が高く、理不尽な悪条件を迫られる危険がほとんどありません。
売掛金の内容が良ければ好条件でファクタリングしてもらえる可能性が高いため、銀行系ファクタリングを検討してみてください。

3. 売掛先に知られても問題ない会社

 
銀行系ファクタリングは、3社間ファクタリングが基本となります。
そこで重要なのが、売掛先との信用問題です。売掛先からの信用悪化が、銀行系ファクタリングの最大のデメリットであり、この問題をクリアすれば銀行系ファクタリングのハードルは大きく下がります。
具体的には、

  • 売掛先が系列会社である
  • 売掛先の経営者が縁故者である
  • 売掛先と付き合いが長く縁が深いため、理解を得られる
  • 売掛先もファクタリングを利用している

などの場合には、ファクタリングの利用を知られても信用問題になりにくいです。
もっとも、売掛先がファクタリングを利用している場合には注意が必要です。
そのような売掛先は、ファクタリングの知識があり、メリットも知っているため問題視しない可能性があります。しかし、売掛先が苦しい資金繰りを回すために、切羽詰まってファクタリングを利用している場合、自社の資金繰りを疑われるかもしれません。
売掛先の問題をクリアできれば、調達に時間がかかるものの、低コストでファクタリングできます。

4.時間に余裕をもって資金調達できる会社

 
銀行系ファクタリングは3社間取引のため、資金調達に時間がかかります。
銀行の審査と債権譲渡通知・承諾手続きにより、資金調達までに要する時間は最短で1週間と考えてください。
もちろん、銀行の審査に時間がかかったり、売掛先の対応が遅かったりすれば、さらに時間がかかります。
しかし、資金繰りに余裕がある場合、このように時間がかかってもさほど問題にはなりません。
資金調達を急いでおらず、手数料を優先したい会社には銀行系ファクタリングがおすすめです。

5. 多額の資金調達が必要な会社

 
新規事業展開や設備投資などにより、多額の資金調達を必要としている会社には、銀行系ファクタリングをおすすめします。
一般的なファクタリング会社で数千万円を調達する場合、ファクタリング会社によっては対応できなかったり、審査に落ちやすくなったり、利用しにくくなることが多いです。
その点、銀行は資金量が豊富なため、数千万円~数億円以上のファクタリングでも難なく対応できます。
また、銀行系ファクタリングは「融資+ファクタリング」を組み合わせやすいのも利点です。
多額の資金を調達する際には、ひとつの方法で全額を調達するのではなく、複数の方法を組み合わせて調達することで、資金を調達しやすくなります。
その組み合わせの代表例が「銀行融資+銀行系ファクタリング」です。
例えば1億円を調達したい場合、自社の調達余力が5000万円であれば、1億円の融資を受けることは極めて困難です。
逆にいえば、銀行は5000万円までは融資してくれる可能性があります。
そこで、「銀行融資で5000万円を調達、銀行のファクタリングで5000万円を調達」とすることで、1億円を調達しやすくなるのです。
この時、融資とファクタリングを同じ銀行(または同じ系列の銀行とファクタリング会社)に依頼することで、資金調達の確度が一層高くなります。
銀行は資金使途を重視するため、「1億円のうち、とりあえず5000万円だけ」といった融資を嫌います。
5000万円を融資しただけでは、1億円の新規事業や設備投資を実行することはできず、資金使途に沿った活用も期待できないからです。
しかし、「1億円のうち5000万円を融資、5000万円をファクタリング」すれば、新規事業や設備投資に取り組むことができます。
この場合、銀行は5000万円の融資を出しやすく、自社としても1億円を調達しやすくなるというわけです。
多額の資金調達が必要な会社は、銀行系ファクタリングを柔軟に活用しましょう。

6.安全性を優先したい会社

 
安全性を優先したい会社にも銀行系ファクタリングがおすすめです。
ファクタリング会社の中には悪質業者も存在します。
これは、ファクタリングが急速に普及したことにより、法整備が追い付いていないためです。
ファクタリングの普及を左右するのは需要であり、需要が旺盛な今、ファクタリングは加速度的に普及しています。
しかし、法整備に必要なのは「新たな法律の制定」や「既存の法律の改正」であり、時間をかけて取り組まなければなりません。
その結果、法整備が追いつかない状況です。
例えば、ファクタリング業を新規開業する場合、登録や免許などは一切不要です。
悪質業者でも簡単に開業できるため、悪質業者が紛れ込みやすい環境になっています。
悪質行為の大半は「ファクタリングを装った違法な貸し付け」ですから、いわゆるヤミ金と考えて差し支えありません。
資金調達の際にヤミ金を利用すれば、「資金を調達できる」というプラスの側面よりも、「法外な利息により資金繰りが悪化する」「違法な取り立てにより事業に支障がでる」といったマイナスの側面のほうがはるかに大きいでしょう。
銀行系ファクタリングは、銀行や銀行系列のファクタリング会社が提供しています。
金融庁の監督下にあり、ヤミ金のような悪質性・違法性とは無縁です。
悪質業者を確実に避けたいならば、銀行系ファクタリングをおすすめします。

銀行系ファクタリングがおすすめできない会社

 
逆に、銀行系ファクタリングがおすすめできないのは、どのような会社でしょうか。
分かりやすいのは、以下のような会社です。

  • 1.資金調達を急いでいる会社
  • 2.売掛先の信用に問題がある会社
  • 3.少額の資金調達を希望する会社
  • 4.信用悪化を避けたい会社

これについても簡単にみていきましょう。

1. 資金調達を急いでいる会社

 
経営の現場では、緊急の資金調達が必要になることもしばしばです。
資金調達を急いでいる会社は、銀行系ファクタリングは避けてください。
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングのため、どれほどスムーズでも1週間程度はかかります。
「今日中に」「数日中に」「今週中に」など、資金調達のリミットが迫っている場合、銀行系ファクタリングでは間に合いません。
資金調達の目的は、資金繰りを回し続けることであって、それができなければ全く意味を失います。
いくら手数料が安く、安全性が高いとはいえ、資金繰りがショートすれば元も子もないのです。

2. 売掛先の信用に問題がある会社

 
ファクタリングの審査は、利用会社ではなく売掛先が審査基準となります。
売掛先が優良企業・大企業・官公庁などであれば、好条件でファクタリングしやすい反面、売掛先の信用に問題がある場合には審査に落ちることが多いです。
銀行系ファクタリングでは、売掛先の信用に問題があるからといって、手数料の引き上げによるリスクヘッジができません。
売掛先に問題がある場合、「手数料を高くして買い取るor買い取りを拒否する」ではなく、「買い取りを拒否する」の一択になるのです。
したがって、売掛先の信用に問題がある場合、銀行系ファクタリングは避けたほうが無難でしょう。
具体的には、以下のような場合には銀行系ファクタリングの利用が困難となります。

  • 過去数ヶ月中に支払いの遅延を起こしているなど、売掛先の支払能力の低下が明らかな場合
  • 売掛先が新規取引先であり、支払能力を判断するデータが乏しい場合
  • 売掛先が創業1年未満であり、支払能力が不安定な場合

3.少額の資金調達を希望する会社

 
銀行系ファクタリングのデメリットでも解説した通り、銀行のファクタリングは少額の資金調達に利用できません。
必要な金額は事業規模や資金使途によって異なり、個人事業主ならば数万円~数十万円、中小企業ならば数十万円~数百万円が必要となることも多いです。
銀行のファクタリングは、このような少額の調達に対応していません。
資金調達を急いでいる場合、申し込んでも時間のロスになるだけです。

4.信用悪化を避けたい会社

 
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングのため、売掛先に知られず利用することはできません。
銀行から売掛先に対し売掛金の内容を確認したり、売掛先に債権譲渡通知・承諾を求めたり、様々な形で売掛先が関与します。
売掛先にファクタリングの利用を知られると、信用悪化につながることも多いです。
上記の通り、現在のファクタリング市場は法整備が不十分なため、悪質業者が紛れ込みやすい状況です。
実際に、違法行為を働いた悪質業者が摘発されてニュースになったり、金融庁や警視庁が注意喚起を行ったりすることもよくあります。
これにより、ファクタリングを違法視する人が少なくありません。
ファクタリング自体は100%合法的な仕組みですが、売掛先の経営者がファクタリングに悪印象を持っている場合、信用悪化に要注意です。
資金繰り悪化を疑われ、今後の取引に響くかもしれません。
特に注意したいのは、何らかの理由によって売掛先が銀行を敬遠している場合です。
その一例として、売掛先がファクタリングする銀行から融資を受けており、なおかつ売掛先の経営が悪化傾向にあるケースを考えてみましょう。
ファクタリングは売掛先を重視しますから、手続きの中で銀行が売掛先の経営悪化を把握し、今後の融資に響くこともあり得るのです。
この場合、3社間ファクタリングに協力することは、売掛先にとって「百害あって一利なし」といえます。
銀行との接触を必要最低限に止め、信用悪化を避けたいと考えるのは当然です。
3社間ファクタリングへの協力を求められた売掛先が「厄介な相談を持ち込まれた」と考え、利用会社に悪印象を持つ可能性も十分に考えられます。
銀行系ファクタリングは、一般的なファクタリング以上に信用悪化のリスクが大きいのです。
信用悪化を避けたい会社は、銀行系ファクタリングを控えてください。

一般的なファクタリングがおすすめの会社

上記のような理由により、銀行系ファクタリングの活用が難しい会社には、一般的なファクタリングがおすすめです。
ファクタリング会社のうち、銀行系ファクタリングはごく一部に限られます。
その他の一般的なファクタリング会社は、銀行系ファクタリングにはないメリットがあるのです。
No.1をはじめ、独立系・中小のファクタリング会社は2社間ファクタリングを提供しており、最短数時間~即日対応を基本としています。
中小ファクタリング業者の多くは、買取ファクタリングに力を入れているため、審査が柔軟であり、ノウハウも豊富です。これにより、売掛先の経営に問題がある場合にも、ファクタリング手数料の設定次第で買い取ってもらえる可能性が高いです。
また、少額の売掛金でも積極的に買い取ってくれることが多く、零細企業や個人事業主が少額を調達する場合に役立ちます。
一般的なファクタリングは銀行系ファクタリングに比べてファクタリング手数料が高いとされますが、それはあくまでも傾向です。売掛先が優良企業であれば、ファクタリング手数料を低く設定しても採算が取れるため、低コストでファクタリングできます。
そして、一般的なファクタリングは売掛先への債権譲渡通知が不要です。売掛先に知られ、信用を損なう危険がありません。

まとめ:銀行でファクタリングできない会社はNo.1にご相談を!

本稿では、銀行系ファクタリングについて解説しました。
ファクタリングには、銀行系ファクタリングと一般的なファクタリングがありますが、それぞれの特徴やメリット・デメリットから、

  • 銀行系ファクタリングが向いている会社には、一般的なファクタリングは不向きである
  • 銀行系ファクタリングが不向きな会社には、一般的なファクタリングが向いている

といえます。
銀行系ファクタリングが利用できない会社でも、ファクタリングを諦めることはありません。中小ファクタリング業者を利用しましょう。
その際には、ぜひNo.1にご相談ください。
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